緩急自在の頭脳派サウスポー
ストレートの球速は130キロ前後しかない。それでも通算176勝をマークできた要因はいったいどこにあったのか。14票のコメントの中にも数多く出てくるが、そのピッチングを支えていたのが代名詞にもなった90キロ台の落差の大きいスローカーブだ。このボールで巧みに緩急をつけ、相手バッターを封じていった。
また、
星野伸之という投手のすごさは類まれな「観察力」にもある。1球投げるごとにバッターの細かな反応を敏感に感じ取り、次に投げる球種、球速、コース……などを決めていく。常に対戦するバッターの“裏”をかくボールやコースを投げることに心血を注ぎ、勝利を一つひとつ手繰り寄せてきた。
まさに「柔よく剛を制す」という言葉が当てはまる星野の頭脳的なピッチング。派手さこそないが、その緻密で洗練された投球術で球史にその名を刻んだ。
【主な獲得タイトル】 最高勝率2回(89、96年)
【投票者&選出理由コメント】 中田賢一[ソフトバンク] 直球の球速がそこまでなくても変化球、特にカーブの使い方で抑えていた。テレビゲームでは僕のチームの「柱」です
藤井康雄[ソフトバンク] 90キロ台のスローカーブを巧みに使って、130キロ前後の直球を打者にとって150キロくらいに見せていた。まさに投球術
駿太[オリックス] 驚くような球速がなくても変化球とのコンビネーションで打者を打ち取る。長く現役をやっているのがすべて
塚原頌平 スピードがないけど・・・
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