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特集・新生スワローズ14年ぶりV

下克上V達成 真中監督の巧みなマネジメント術とは

 

10月2日の阪神戦(神宮)、雄平の劇的なサヨナラ打で優勝をつかんだヤクルト。昨年まで2年連続最下位のチームが下克上Vを果たすなど、誰が予想しただろうか。だが、この男だけはドラマを最初から思い描いていた。「課題はたくさんあったけど、優勝することしか頭になかったし、できると思っていた」。真中満――。12球団最年少の44歳の青年監督。就任1年目で快挙を達成した指揮官は、どのようにしてチームを勝てる集団に変えていったのか。

雄平のサヨナラヒットで14年ぶりの優勝を決めた



指示待ちではなく自主性を持った選手へ


 今年2月の沖縄・浦添の春季キャンプ。真中満監督は今年のテーマに「自主性」を掲げた。

「ウチの選手はマジメだけど、指示待ちの選手が多い。強いチームは自分たちで考えて動くことができる。そういうチームにしたい」

 その思いを実現させるために、小さなことから変えていった。三木肇・作戦担当内野守備走塁コーチは練習を始める前に、この練習にはどういう意味があるのか、何を意識すればいいか、説明した。

「そうやって説明すれば、選手たちも意識をするし、自分で考えるようになる。その中で工夫していってほしかった」

 キャッチボール一つ取ってもそう。それまでは同ポジションの選手とやることが多かった。だが、あえて毎日違うポジションの選手と組ませることで、各選手の球質やクセなどを互いに把握。さらに相手の気持ちを考え、しっかり胸に投げることを徹底させた。基本から見直したことで失策は昨年リーグワースト2位の97個から70個へと激減した。

 走塁への意識も根本から変わった。三木コーチは「単純に盗塁を増やすというのではなく、常に一つ先の塁を狙う意識を持ってほしかった」。そのためにたとえ足の遅い選手でも、投手でも、塁に出たら、投球に合わせてスタートを切る偽走を徹底。だからこそ、相手の守備のボールへのチャージが弱いときは、次の塁を積極的に狙えるようになった。盗塁数もチーム全体で昨年より20個以上増えたが、数字以上に攻めの走塁が浸透した。

 その代表的な例が山田哲人だ。昨年は193安打で最多安打のタイトルを獲得したが、盗塁は15個。天性のスピードを持つ割には少なかった。そこで三木コーチと状況、走路、帰塁、スライディングなど、一から見直した。

 山田は「単純にスタートが良ければ、盗塁は成功すると思っていた。走塁は奥が深い」と改善に取り組んだ結果、倍増以上の34盗塁を決めた。塁にいるだけで、相手にプレッシャーをかけられるレベルまで成長した。

共通していたコーチ陣の野球観


 進化したのは選手だけではない。コーチ陣の意識も大きく変わった・・・

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