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特集・ソフトバンク 2年連続日本一
武田翔太 昨年に続き頂上決戦で光る男

 

 2014年よりも大きく進化した武田翔太がマウンドにいた。8回まで完封ペース。強力打線を誇るヤクルトを一蹴した。

「初回、2回のヤクルト打線を見て、カーブを狙ってきている感じがしたので、真っすぐに切り替えました」

 昨年、阪神との日本シリーズ第2戦(甲子園)に先発した武田はセ・リーグの投手は投じない、大きく、そして鋭く曲がるカーブで阪神打線を翻ろう。第1戦を落としたソフトバンクに流れを持ってきた。その残像がヤクルトにはあったのかもしれない。

 初回に川端慎吾畠山和洋に安打を浴び二死一、三塁のピンチを招いたが、五番の雄平を真っすぐのみで二ゴロに仕留めた。その後は2回を10球、3回を7球、4回を13球、5回を8球、6回を10球で終わらせるテンポの良い投球で、完全に試合のリズムをチームにたぐり寄せた。その流れに乗った打線は4回に松田宣浩のソロ本塁打で先制、さらに2点を追加した。

 最後まで冷静な自分がいた。打者が何を狙い、どういうスイングをするのか注視していた。

「余裕を持って観察できました。ヤクルト打線は浮いた球を狙っているようだったので、高めに浮かないように投げました」

ソフトバンク先発の武田は観察眼を生かした頭脳的な投球も見せ、4安打2失点の完投勝利を収めた



 今季から工藤公康監督が就任。投手出身で、西武、ダイエー(現ソフトバンク)、巨人を日本一に導いた優勝請負人。常日ごろから打者を観察しながら投げることを心掛けるよう、求められていた。成果はシーズン13勝に現れ、その成長を工藤監督も分かっていた。

「日本シリーズは第1戦と第3戦が大事だと思っています」とシリーズ前の会見で語った工藤監督。だからこそ・・・

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