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特集・ソフトバンク 2年連続日本一
日本シリーズの明暗を分けた“二番打者”

 

明暗を分けた二番打者安打製造機とつなぎ役今年の日本シリーズはともに三番を打ちトリプルスリーを達成した山田哲人柳田悠岐に注目が集まったが、週ベはその前を打つ2人の二番打者に注目した。ヤクルト川端慎吾は首位打者と最多安打を獲得した安打製造機。一方、ソフトバンク明石健志は、レギュラーの座を約束されていない、つなぎの打撃が身上の選手。その2人の活躍が、トリプルスリーの2人よりもチームの運命を左右した。
写真=BBM

川端慎吾・解決策を見いだせないまま……




 3試合連続複数安打に4得点。4試合で打率.467を打った。これは日本シリーズの記録ではない。クライマックスシリーズファイナルステージでの成績。見事MVPにも輝いている。シーズンは.336で首位打者、そして195安打で最多安打のタイトルも獲得した。セ・リーグの安打製造機だ。

 打つ専門の二番打者、攻撃的二番打者として、強力ヤクルト打線の導火役だった。そこから山田哲人、畠山和洋雄平というクリーンアップ3人とともに4人組として得点を重ねてきた。

 第1戦の第1打席、川端らしくボールをギリギリまで見極めながらセンター前にヒットを放った。誰もがこのシリーズもヒットを量産するだろう、と予測していた……。だが、2打席以降、川端らしい粘りの打撃が陰をひそめた。追い込まれてからファウルで逃れるシーンも少なくなっていった。

「(第2戦の先発・バンデンハークは)真っすぐが速くて、レフト方向に打ちたかったけど、ファウルになった。変化球も良くて、ファウルに粘ることもできなかった」

 ファウルを狙うような打撃でもフェアゾーンに飛んでしまう。不運というよりは何かがおかしかった。本人は「調子も状態も悪くない。少しズレている感じ」と自分でも何がおかしいのか分からないまま、シリーズを終えてしまった。

 打てないからといって、首位打者に送りバントのサインを出すこともできない。川端は犠打をシーズン2つしかやっていないだけに、サインを出してしまえば、それはヤクルト本来の攻撃の型を崩してしまうことになる。その解決策が見つけられないまま敗戦となってしまった。

 その悪循環は守備にも出る・・・

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