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プレミア12総力特集ファイナル
前田健太 プレミア12で得た収穫、若手に示した姿勢

 

日本のエースとしてチームをけん引し、この大会で優勝に導くこと、若い投手陣の手本となることを求められた前田健太。優勝は逃したが、その役割は十分に果たした。そして、この国際舞台で世界の「MAEDA」として大きな足跡を残し、さらに前を向いている。

節目で見せた快投


 敗戦はベンチで見届けた。

 グラウンドで韓国ブルーが揺れる。世界一を、世界一だけを信じた戦い。エースの責務を全うした前田健太は「正直、ショックは大きいですね」と偽らざる心境を吐露した。だが、2試合の登板で計12回を2失点。台湾ラウンド初戦のメキシコ戦、準々決勝のプエルトリコ戦と、節目で見せた快投は、世界に「MAEDA」の力をあらためて証明した形だ。

「エースはお前だ。準々決勝からはトーナメント。そこを任せたい」

 前日までのグループリーグから一転、11月16日から負ければ敗退の一発勝負が始まった。プエルトリコとの準々決勝。前田の先発は1カ月以上前、小久保裕紀監督からの電話で直接伝えられた。A組1位のカナダが、B組4位のメキシコに敗退。波乱含みのトーナメントだけに、最も信頼する投手に託した。

「本当の勝負はここだと思っていた。難しかったけど、しっかり合わせることができたと思う」

 その熱い思いを粋に感じたエースは、最高の結果で応えた。

 プエルトリコとは5日の親善試合(ヤフオクドーム)に続き2度目、いや“3度目”の対戦だった。「雰囲気も今までと、変わってくるかもしれない。気を引き締めたい」。初回、筒香嘉智のレフト前タイムリーで先制点を奪ったが、3回にこの日最大のピンチを迎える。先頭打者から連続安打で無死一、二塁とされた。

 いずれも宝刀スライダーを痛打されたものだった。一番・シルバの右飛で一、三塁。だが、ここで前田は、即座に投球スタイルをマイナーチェンジした。続く右打者のメンデスに対して151キロの直球を見せ球に、最後はチェンジアップでバットをへし折った。投ゴロ併殺で脱出。両拳を握って激しく吠えた。以降は安定した投球を披露。小久保監督は試合後に「あのゲッツーでいけると思った」と勝敗を分けた1球とした。

 伏線は11日のメキシコ戦にあった。5回2失点、86球で降板。「シーズンを通しても、一番ヒドかった」とマウンド、球場の風にも苦しんだ。試合会場となった天母棒球場は、外野スタンドがなく吹きさらし状態。風は強く、回ごとに風向きが変わった。日本では経験がなく、修正に時間がかかった。だが苦手を、苦手で終わらせないのが、強さでもある。

 2回、先制点を奪われた直後。捕手の嶋基宏が「右打者にもチェンジアップを使ってみよう」と提案・・・

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