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特集・2016年 栄光のドライチ
荒木大輔が解説 ドライチがプロで成功する秘訣

 

早実時代、5季連続甲子園出場を果たして、「大ちゃんフィーバー」を巻き起こした荒木大輔氏。注目度が高まり、ドラフト1位でヤクルト入りしたが、喧騒の中、どのような思いを抱えながら過ごしたのか。その激動の日々を振り返るとともに、プロで成功する方法論を語る。



自分のチーム内での位置付けをとらえる


 アマチュア選手の誰もがあこがれるドラフト1位という称号。私も運良くそれを手に入れることができましたが、当時はどういう思いだったのか。まず、自分の経験から話してみましょう。私はもともと高卒即プロ入りすることにためらいがありました。自分の実力を客観的に考えてプロとはかけ離れていると思っていましたし、ましてやドラフト1位なんて……。

 プロ野球という日本最高峰の舞台に立つのは例えば甲子園で140キロ台後半のストレートを投げ込んでいた畠山(準。池田高→南海ドラフト1位)や練習試合でストレートだけで抑え込まれた斎藤(雅樹。市川口高→巨人同1位)のような抜群の能力を誇る選手だと思っていましたから。ありがたいことにドラフトでヤクルトと巨人が競合。クジ引きの末、ヤクルトが引き当ててくれましたが、そこまでの自信がなかったため、なかなか首をタテに振ることができなかったのです。

 結局、ヤクルトのユニフォームを着ましたが、そのときに思ったのは大学生活と同じ4年間、みっちりとトレーニングを積んでプロの体を作り上げ、5年目からは一軍戦力になろう、と。ただ、それが最低限で何かアクシデントがあったら嫌だったので1年前倒しして3年間は練習に明け暮れ、4年目からバリバリやることを頭の中に描いていましたね。騒がれることに関しては「仕方ない」と割り切っていました。

 僕が幸運だったのは1年目の春季ユマキャンプは一軍スタートでしたが一、二軍合同。一軍でレベルの高い投手のピッチングを間近で見ることができました。例えば私が入った2年前のドラフト1位の竹本(由紀夫)さんは新日鐵室蘭時代、キューバ相手に好投した投手で、プロでもブルペンでは本当にすごいボールを投げていました。でも、勝てない。一方、竹本さんに比べると尾花(高夫)さんの投げるボールは大したことないのに2ケタ勝利を挙げている。何が違うかと言うとコントロール。やはり、尾花さんはその点が優れている。そういったことを実際に自分の目で見て感じられたことは大きかったです。

 さらに・・・

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