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トリプルスリーの作り方
次の「トリプルスリー」はこの男だ!

 

両リーグのチャンピオンチームから出たこともあり、「トリプルスリー」への注目が高まっている。アベレージと長打、そして盗塁数をハイレベルで達成する難関は、卓越した身体能力でチームを引っ張る男たちのターゲットでもある。ここでは次なる偉業達成候補たちをピックアップしてみた。

オリックス・糸井嘉男/超人が狙うのはその先




 ギラギラとパワーに満ちあふれている。これまでトリプルスリー候補筆頭に挙げられながら、後輩2人が先に達成。こうなれば、さらにその先、3タイトル独占を狙うしかない。キャリアハイからも分かるとおり、本塁打数さえクリアできれば偉業は射程圏内。巧みなバットコントロールに、パワーも脚力も兼ねそなえる。昨季は左ヒザの故障の影響で、打率.262と低迷。2009年から6年間続いていた打率3割が途絶えた。それだけに今季は、高橋慶彦新打撃コーチからマンツーマン指導を受け、今春キャンプでも自ら進んでロングティーを行うなど、“超人“復活に向け、黙々と汗を流す。唯一、気になるのは起用法だ。福良淳一監督は一番に据える考えも示唆している。昨季は不振にあえぐも、チームトップの72四球を選ぶなど、チーム打撃に撤する糸井だけに“出塁率“を重視するのは間違いない。本塁打数が伸び悩む可能性もあるが、すべての常識を打ち破ってこそ“超人“。2016年の主役は、この男かもしれない。

広島・丸佳浩/新スタイルで無欲の挑戦




 足を上げてタイミングを取るフォームに変えたのは、ボールを強くとらえるため。構えたときのグリップの位置を上げることにもその意識が表れている。これまで、「タイミングを取るのがうまくないから」と追求してきた、すり足のフォームを捨て、打率.249と低迷した昨季の雪辱を期す。2月14日、今年初めての対外試合(対オリックス・清武総合)の第1打席で手応えを得た。左腕・松葉貴大から左中間を破る適時二塁打。昨季.239と苦手としたサウスポーから幸先の良い結果を残し、「イメージに近いフォームができた」とうなずいた。昨年も19本塁打。狙いどおりに直球をとらえる確率が上がれば、本塁打増はもちろん、打率も.310をマークした2014年の水準を狙える。盗塁も30を超える力は十分。そのためにもより多く出塁することがポイントとなる。「僕なんかより、やるならキク(菊池涼介)でしょう」。本人に強い意識はないが、1年を終えたとき、積み重ねた数字で真価を証明してみせる。

日本ハム・陽岱鋼/トリプル3は格好いい!




 2013年に盗塁王を獲得(47個)、翌14年に打率.293、25本塁打を記録すると、15年はトリプルスリーを目標に定めた。オリックスの糸井嘉男とともに“最も近い男“とも呼ばれた。だが、序盤に太もも裏を痛めて調子を崩し、5月には左手首を骨折して長期離脱。スタートにつまずいた影響もあり、打率.259、7本塁打、14盗塁の成績に終わった。オフには2年契約の2年目ながら、ダウン提示を受ける屈辱を味わった。「全試合出場を目標にやっていく。トリプルスリー、格好いいですね」と再び目指すことを誓う・・・

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