強大な戦力を誇るソフトバンクで、定位置をつかまんとする3年目の若武者。攻守走三拍子そろったプレースタイルは「あこがれ」と語るイチローを彷彿させる。自覚と自信に満ちたシーズンイン直前の声をお届けする。
取材・構成=菊池仁志、写真=湯浅芳昭

打撃向上で定位置獲りへ

3年連続日本一を目指す2016年の工藤ホークス。野手では昨年五番打者を務めた李大浩が退団し、内川聖一を一塁で起用するプランが浮上している。ここでカギを握るのが3年目の上林誠知だ。左翼に中村晃、右翼に柳田悠岐を配し、中堅に上林がはまれば外野の守備力は各段にアップする。守備と走塁はすでにレギュラーに値するレベル。定位置奪取のポイントは打撃だ。

――キャンプでは連日、豊富な練習量をこなす姿がありました。

上林　きつかったというのはありましたけど、キャンプでしっかりやっておかないとシーズンを戦い抜くことができませんので、とにかく多く練習することは心がけてきたことです。

――3年目で初めてA組(一軍)のキャンプを完走しました。

上林　去年も少しだけA組に上げていただいて、経験させてもらっていたので、A組だからどうこうというのはなかったですね。気疲れすることもないですし、普段どおり練習できました。

――それでも、B組(二、三軍)でやるのとは違う刺激があったのでは？

上林　1年目のとき、初めてのキャンプで先輩方を見たときにはやはりビックリするものがありましたけど、去年の夏場から一軍で一緒にやってきて、見慣れてきた部分はあります。まだ差があることは感じますけど、少しずつですが近づいてきていると実感しています。練習を重ねて力をつけることができていると思います。

――筋力強化は飛距離にも表れています。また、打撃技術も進歩しているのではないですか。

上林　体力もそうですし、技術もそうですが、考え方が変わってきたのかなと思いますね・・・