週刊ベースボールONLINE

2016年開幕特集

救援陣の奮起がオリックス浮上のカギを握る

 

よもやの逆転劇だった。オリックス打線が、3戦すべて先取点を奪い、試合のペースを握ったかに思えたが、誤算は“継投”と後を受けた救援陣。対する西武は、早めの継投がはまり、劇的勝利で開幕カードを勝ち越し。救援陣の出来が両軍の明暗を分けた。
取材=鶴田成秀、写真=内田孝治

浮上のカギ


 ブルペンでは6回の時点で岸田護が肩を作っていた。オリックスの開幕投手・金子千尋が6回までに要した球数は118。5四球を与え、制球に苦しんでいたが、3点リードの7回もエースがマウンドへ。

「120球程度でバテるような練習はしていない。僕が行けと言いました」と、酒井勉投手コーチが続投を要請。これが裏目に出た。2本の安打と四球で同点に追いつかれ、なお二死一、二塁の場面で、プロ入り最多となる1試合7四球目を与えて降板。佐藤達也にマウンドを託した。

 さらに2度目の“誤算”が生じた。9回に勝ち越しに成功するも、抑えのコーディエが乱調。一死後、四球を与えると、けん制悪投、二番・栗山巧、三番・メヒアに連打を浴びてサヨナラ負け。開幕前に打ちたてた『岸田(6回)、佐藤達也(7回)、平野佳寿(8回)、コーディエ(9回)』の勝ち継投を使わず、クローザーに土も付いてしまった。

「金子に任せた結果」(福良淳一監督)

金子千尋「原因は分かっているが、言っても仕方ない。今日に限って言えば最後まで修正ができなかった。それだけです」、酒井投手コーチ「金子にしては珍しく少しずつ制球にずれが生じていた。7回の続投は僕が行けと言いました。判断ミスでした」


コーディエ「いい日もあれば、悪い日もある。今日は悪い日だった。味方がもぎとった1点を守りたかったのだが。責任は自分にある。次は必ず借りを返す」、福良監督「球速が出ても、空振りが取れない(この日の最速154キロ)。心配していたことが出てしまいましたね」


 第2戦は一転して早めの継投に・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング