よもやの逆転劇だった。オリックス打線が、3戦すべて先取点を奪い、試合のペースを握ったかに思えたが、誤算は“継投”と後を受けた救援陣。対する西武は、早めの継投がはまり、劇的勝利で開幕カードを勝ち越し。救援陣の出来が両軍の明暗を分けた。 取材=鶴田成秀、写真=内田孝治 浮上のカギ
ブルペンでは6回の時点で
岸田護が肩を作っていた。オリックスの開幕投手・
金子千尋が6回までに要した球数は118。5四球を与え、制球に苦しんでいたが、3点リードの7回もエースがマウンドへ。
「120球程度でバテるような練習はしていない。僕が行けと言いました」と、
酒井勉投手コーチが続投を要請。これが裏目に出た。2本の安打と四球で同点に追いつかれ、なお二死一、二塁の場面で、プロ入り最多となる1試合7四球目を与えて降板。
佐藤達也にマウンドを託した。
さらに2度目の“誤算”が生じた。9回に勝ち越しに成功するも、抑えの
コーディエが乱調。一死後、四球を与えると、けん制悪投、二番・
栗山巧、三番・
メヒアに連打を浴びてサヨナラ負け。開幕前に打ちたてた『岸田(6回)、佐藤達也(7回)、
平野佳寿(8回)、コーディエ(9回)』の勝ち継投を使わず、クローザーに土も付いてしまった。
「金子に任せた結果」(
福良淳一監督)
金子千尋「原因は分かっているが、言っても仕方ない。今日に限って言えば最後まで修正ができなかった。それだけです」、酒井投手コーチ「金子にしては珍しく少しずつ制球にずれが生じていた。7回の続投は僕が行けと言いました。判断ミスでした」
コーディエ「いい日もあれば、悪い日もある。今日は悪い日だった。味方がもぎとった1点を守りたかったのだが。責任は自分にある。次は必ず借りを返す」、福良監督「球速が出ても、空振りが取れない(この日の最速154キロ)。心配していたことが出てしまいましたね」
第2戦は一転して早めの継投に・・・
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