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特集・チームを変革する新人
阪神・高山俊インタビュー「今はとにかく自分のことに必死」

 

昨年のドラフト会議で、ヤクルト真中満監督が交渉権獲得のクジを引き当てたと勘違いし、うれしさのあまりガッツポーズをした逸材。それが高山俊だ。阪神に入団した後も金本知憲監督をして「打撃フォームでいじる部分がない」と言わしめ、開幕戦スタメンを果たした。しかも中日との開幕戦の第1打席でいきなりプロ初ヒット。その後も一番に定着し、新生・金本阪神の象徴になっている。
取材・構成=椎屋博幸、写真=高野徹(インタビュー)、BBM


緊張しなかった開幕戦、周囲の意識の高さに驚き


――開幕戦からいきなり一番を任され、しかもプロとしての第1打席で見事に左前ヒット。打席では何か理想の打撃を描いていたのでしょうか。

盪魁理想は描いてはいませんでしたが、大野雄大さんの強い真っすぐを「しっかり振ろう」とだけ考えていました。結果のことまでは考えが及ばなかったですね。あのような経緯(中日開幕投手の大野が初球はストレートを投げると宣言)もありましたので、1球目を強く振ることだけを意識していました。

――真っすぐが来ることが分かっているだけにしっかり振ろうと考えると、余計に力んでしまうのでは、と思ってしまいますが。

高山 あのとき、緊張はしていなかったのですが、振る瞬間はすごく力んでいました。そして振ってから「今の球はボールだったな」と思いました。ただ、その後は、落ち着けたのか、というとそこまでではなく、ただ必死だったですね。

――その必死の中、2ボール2ストライクから外角低めの真っすぐをとらえて、うまくレフト前に運びました。

高山 あのコースの打ち方としては理想でした。追い込まれていたので何とかボールに食らいつこうと思っていたので、結果的に良かったです。




3月25日開幕戦の第1打席。プロ初打席でいきなり左前にヒットを放ち、鳴物入り入団の片りんを見せつけた


――その打席でプロとしてスタートし、約1週間が過ぎました。

高山 オープン戦に出場させてもらっていましたので、プロとはこういう感じかな、という雰囲気をつかんだ中での開幕戦でした。少しは慣れたと思っていましたが、開幕戦はやはりまったく雰囲気が違うモノでした。

――これまでアマチュア時代に数々の大舞台を経験されましたが、そのときの雰囲気とは違ったのでしょうか。

高山 違いましたね。僕自身はいつもと変わらない流れでその日一日を過ごそうとしたのですが、周囲に「開幕だ!」というような雰囲気が漂っていて、チームメートやスタッフさんたちの様子が違いました。

――そわそわする感じですか。

高山 そわそわというよりも、開幕戦に対する意識の高さがすごかったです。僕もその域に早く行かないといけないな、と思いました。開幕戦当日は、そこまで感じていなかったんですが、今終わって通常の試合をしている中で振り返るとそうだったなあ、と。何しろプロ野球の開幕戦が僕自身初めてのことだったので(笑)。ただ、キャンプやオープン戦でも、チームメートの要所、要所でのオンとオフのスイッチの切り替えがすごいなとは、感じていました。それ以上に開幕戦に対しての気持ちのスイッチの入り方がすごかったです。

――そういうスイッチのオン、オフを見て、焦るということはないのでしょうか。

高山 というよりは、それを見ていながらも、自分の中では実感がわかなかったという言い方が本音で……それはそれで1年目の強みかな、と思いながら、いつもどおりの準備をしました。

――一塁線上に先発メンバーが呼ばれるときなども、そこまで緊張していなかったのですね。

高山 はい。そこまで緊張はしていませんでした。それよりも最初の打席のことばかり考えていました。歓声などを聞いても、そこまで自分の中で「すごいなあ」ということもなかったですね。

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