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特集「我はエースなり!」

セイバーメトリクスで解析!NPB現役最強投手は誰だ!?

 

現在の日本プロ野球で最強のエースは誰なのか――。ここではセイバーメトリクスの観点から6人のエースの能力を徹底比較。そこから見えてきたあの投手の驚くべき能力とは!?
データ&文=DELTA、構成=編集部、写真=BBM

多くの能力を兼ね備えるオールマイティー型の菅野


 一般的に先発投手を評価する基準は「どれだけのイニングを、どれだけ少ない失点で投げられたか」に重点が置かれる。セイバーメトリクスでは、実際の失点より投手の責任がより強いと推定される要素に絞って評価することが多い。主には「奪三振の多さ」「与四球の少なさ」をベースに「打球がどれだけゴロになっているか」なども注目される点だ。


 そうした観点から菅野智之大谷翔平則本昂大岸孝之涌井秀章藤浪晋太郎の6投手の過去2年の成績についてまとめたのが上図だ。さらに下表には過去2年に今シーズンを含めた細かい数字も集約させてみた(4月23日現在)。


 図の横軸はK/BB(Strikeout to Walk ratio)と呼ばれる奪三振を与四球で割った数字で、双方の比率を表す。セ・パ両リーグとも平均は2.0付近だが、涌井を除く5人の投手がこれを超えている。数字が高い場合、三振を多く奪っているケース、与四球を少なく抑えているケース両方があるが、いずれにしても今回取り上げる投手は三振を多く奪い、ムダな四球を出さない非常に能力の高い投手だ。

 縦軸はGB/FB(GB/FB Ratio)と呼ばれるゴロ打球の数をフライ打球の数で割った数字で、双方の比率を表す。バットにボールが当たり生まれた打球(ファウルゾーンに落ちた打球は含まない)をゴロ・ライナー・フライの種類別に集計し算出しており、安打になったかどうかは考慮していない。平均は1.1から1.2程度になっている。

 奪三振と与四球に次いで大事なこの要素では「菅野・大谷・藤浪」と「涌井・岸・則本」のグループに分かれる。菅野・大谷・藤浪は長打になる危険性の低いゴロを多く打たせ失点を抑えることにつなげている。ただ、涌井・岸・則本がフライを多く打たれていることは必ずしも悪いことではない。フライを打たれるリスクと引き換えに三振を多く奪ったり、四球を出さずに済ませているとも考えられるからだ。結果的に失点を低く抑えているのであれば、それは自身の投球スタイルといっていい。

 では、ここからは個々の投手について見ていこう。今シーズンここまで5試合で3勝(2完封)、防御率0.68と絶好調の菅野智之は2年続けてK/BB、GB/FBともに平均を超えており、バランスのよい投手だと分かる。

 昨年、菅野は防御率を1点台に下げたが、内容的にはやや後退していた。一昨年は奪三振割合19.1%、GB/FBで1.75とゴロを打たせる投球を見せたが、昨年は奪三振割合が17.7%に落ち、GB/FBも1.48へと落ち着いた。それでも防御率がより低くなったのは巨人の野手陣の守備でのバックアップがあったためと見られる。


 この内容面の下落は一昨年の終盤に負ったヒジのケガへの対応で、力をセーブした投球を見せた結果であるようにも映る。しかし・・・

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