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2016春・ドラフト特集

帝京大・鶴田圭祐 準硬式野球に異色の逸材149キロ左腕

 

大谷翔平藤浪晋太郎を頂点とする平成6年(94年)生まれの学年は、ドラフトの超目玉・田中正義(創価大)の台頭もあり“投手黄金世代”の様相を呈してきた。そんな勢力図に、まったく違う“準硬”ルートから割って入ろうとしている異色の逸材がいる。身長180センチ84キロの厚みのある体格と、左腕から繰り出す140キロを超す快速球。プロのスカウトが準硬式の公式戦に足を運ぶようになり、にわかに隠し玉として注目を集め始めている。
取材・文=矢崎良一、写真=田中慎一郎


運命を変えた大学での投手再転向


 まさに「未完の大器」と言っていい。本格的な投手としてのキャリアはまだ3年足らず。中学までは野手と投手を兼務し、寒川高には投手として入学したが、制球難のため1年秋に野手転向。そのまま卒業まで外野手としてプレーしていた。

 高校2年秋の四国大会に出場も、あと一歩で甲子園には届かず。もし甲子園に出場していたら、どこかの大学で今も野手としてプレーしていたかもしれない。3年夏は県大会2回戦敗退。スポーツ推薦での進学を希望したが、実績不足で練習参加した大学に獲ってもらえず、一度は野球そのものもあきらめていた。

 指定校推薦で帝京大に入学。準硬式に所属していた高校の一期上の先輩から誘われ「硬式にはもう踏ん切りを付け、これからは野球を楽しもう」と入部を決意した。そこで先輩から「チームに左投手が足りないから、ピッチャーやってみたらどうや」と言われ投手に再転向。今となってみれば、運命を変える言葉だった。

 近年、大学準硬式野球の競技人口は増加しており、鶴田のような強豪高校出身の選手も珍しくはない。準硬式野球は、硬式球と同じコルクの芯に、軟式球のような天然ゴムの表面という準硬式球(軟式H号ボール)が使われるが、これへの対応が一つのカギとなる。「手ざわりも違和感はなかったし、硬式よりも少し軽い分、テークバックがスムーズに取れるようになり、僕は投げやすかったです」と鶴田は入学当時を振り返る・・・

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