週刊ベースボールONLINE

特集・鉄壁のリリーフ

高津臣吾コーチが語る ヤクルトブルペンの変革

 

優勝を果たした2015年、セ・リーグ登板数トップの74回が秋吉亮、同2位の72回がオンドルセクだった。ともにヤクルトの中継ぎ投手。なぜこれほどまでに投げることができたのか。ヤクルトのブルペンの秘密に迫る

神宮のブルペンで準備する村中恭兵[右]と秋吉亮。真ん中は伊藤智仁コーチ


無駄な球数を減らす


昨年のチーム完投数3はリーグ最少だった。ヤクルトの中継ぎ投手にはタフネスさが必要とされる。14年より投手コーチに就任した高津臣吾コーチはそんなリリーフ陣の負担を軽減すべく、“肩を作る回数を減らす”方法を取り入れた。

 肩を作る回数を減らしたというよりも、正確には投げる人しか肩を作らない、ということ。もちろん「こういう場面になったら登板するから準備してくれ」と言って、そういう場面にならなくてピッチング練習だけで終わる場合もある。ただ、「じゃあ、とりあえず1回作ろうか」ということはやめたね。

 ブルペンにはだいたい7、8人が入っていて3回になったら誰と誰、5回になったら誰と誰、7回になったら誰と誰、といったようなグループ分けみたいなものがされていて、投げる予定がない人もそのイニングが来たら、ピッチング練習をしていくというのがヤクルトでは主流のやり方だったし、日本ではほとんどの球団がそうなんじゃないかな。

 僕はアメリカ、韓国、台湾で野球をやってきているけど、そういったやり方は日本だけ。ほかの国では投げる人しか準備しない。投げる人だけというのは、すごく合理的で体にも良くて、いい方法だなと思ったから、取り入れてみようと思ったわけ。

 リリーフ投手は毎試合ブルペンに入るし、登板数以上の準備をしている。だけど毎日肩を作ることをしなかったから、秋吉(亮)やローガン(オンドルセク)はあそこまで持ったと思う。少しずつの作る、作らないの積み重ねで疲労がたまっていったり、取れていったりすると思うから、1年トータルで考えたら、無駄に投げないというのは大きなことなんだよ。

 もう一つは・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング