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変化球特集2016

複雑化した変化球の名前をおさらいしよう!変化球大系2016

 

カット、ワンシーム、ツーシーム……数十年前には、聞くことがなかった変化球の名前があふれている。ここではそれらの球筋、特徴を整理してみよう。
イラスト/横山英史

カーブ〜曲がりながら落ちる〜


もっともポピュラーな変化球。リリースで手首をひねることで回転が与えられ、ボールは曲がりながら落ちる。頭の上で“抜く”イメージで投げるとタテのカーブとなり「ドロップ」とも呼ばれる。近年は人さし指と中指をボールに立てて投げるナックルカーブが登場


現役の使い手
三浦大輔(DeNA)、岸孝之(西武)

スライダー〜手元でクイっと変化〜


カーブより球速があり、リリースした腕から反対方向に滑るような軌道を描く。カーブのような弧を描くのではなく打者の近くでクイッと鋭く変化する。カウント球、勝負球と幅広く使える万能球。タテの変化もある


現役の使い手
大谷翔平(日本ハム)、前田健太(ドジャース)

チェンジアップ〜緩急で打者を翻弄〜


ストレートとの速度差を利用する変化球。打者の目からはストレートと同じ腕の振りながら、ボールがなかなか来ないためタイミングを外されやすい。低めに集め空振りを誘う。握り方は千差万別、投手の個性があふれる


現役の使い手
金子千尋(オリックス)、若松駿太(中日)

フォーク/スプリット〜最強のウイニングショット〜


人さし指と中指でボールを挟み、抜くイメージでリリース。打者の手元でストンとタテに落ちるボール。空振りを狙うときには絶大な威力を発揮する。浅く挟むスプリット(・フィンガード・ファストボール、SFF)は、フォークよりもストレートに近い球速で、落ちる幅も小さい


現役の使い手
上原浩治(レッドソックス)、田中将大(ヤンキース)

カット・ファストボール〜バットの芯を外す〜


メジャーではカッターとも呼ばれる。ストレートの握りから指をズラしてボールを切ってリリースする。わずかにボールを変化させ、バットの芯を外し打者を打ち取る変化球。ストレートと見分けづらいボール


現役の使い手
ダルビッシュ有(レンジャーズ)、松坂大輔(ソフトバンク)

シュート〜腕の振りとは逆に変化〜


ストレートの腕の振りから内側にひねるイメージでリリース。右投手なら右打者の胸元、ヒザ元に食い込むような軌道を描く。内角でファウルを打たせてカウントをかせいだり、内野ゴロを打たせゲッツーを狙うときにも有効


現役の使い手
原樹理(ヤクルト)

シンカー/スクリュー〜内側にひねり“抜く”〜


右投手であれば右打者の方向へ曲がりながら沈むボール。内側にひねりながら中指と薬指の間などから抜くといった動作のため、サイドやアンダーハンドの投手が操る傾向にある。浮き上がって沈んだり、ストンと落ちたり、変化はさまざま


現役の使い手
攝津正(ソフトバンク)、石川雅規(ヤクルト)

ワンシーム/ツーシーム〜シュートと同種、わずかに沈む〜


ツーシームはボールが1回転する間に、縫い目(シーム)が打者方向に2本通過する向きで投げられたボール。4本(フォーシーム)のストレートに比べて、縫い目が不均等なため不規則な空気抵抗を受け、シュートと同種で食い込みながらわずかに沈む。ワンシームは打者から見て縫い目が1本に見えるボール


現役の使い手
黒田博樹(広島)、菅野智之(巨人)

ナックル〜予測不能な動き〜


人さし指、中指を立てるようにして握る。他の変化球とは一線を画し、極限までボールの回転を少なくし、大きな空気抵抗を受けることで不規則な変化をする。ゆらゆらと揺れなが落ち、その軌道は投げる投手ですら分からないほど。このボールだけで勝負するナックルボーラーも存在する


現役の使い手
R.A.ディッキー(メッツ)

パーム〜浮き上がり沈む〜


親指と小指で包み込むように握る。フォークのように落ちるボールだが、パームのほうが球速が遅く、不規則な動きをすることもある。一度フワッと浮き上がるように見えるのも特徴だ。視覚的にアクセントがつけられる特殊な変化球


現役の使い手
浅尾拓也(中日)
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