どうしても手がつけられない。開幕から2カ月、8試合に登板した菅野智之から受ける印象だ。150キロを超えるストレートを軸に、7球種に及ぶ多彩な変化球をピンポイントに配する制球力も球界随一。日本球界を代表する投手への階段を、着実に昇り始めたハイブリッド投手に、ストレートと変化球との密接な関係を聞いた。 取材・構成=坂本匠、写真=小山真司、矢野寿明(インタビュー) やっぱり、ストレート
3、4月度の月間MVP受賞は、当然と言える最高のパフォーマンスだった。4月に限れば4試合33イニングで自責点0、防御率0・00と圧倒的な成績。入団4年目、進化の秘密を紐解くカギは、変化球とは切っても切り離すことができない、ストレートの質の向上にあった。 ――月間MVP受賞、おめでとうございます。5月序盤の登板を加え、8試合登板時点で3度の中5日とタフに投げ抜き、2完封1完投勝利で4勝。防御率0.68はリーグトップと、群を抜く成績です。
菅野 ありがとうございます。うれしいですね。防御率に関しては毎年、こだわりを持ってやっているので、出来過ぎとは思っていません。
――何より、66イニングで3四球という驚異的な安定感です。
菅野 去年は四球が多かった印象がありました(25試合で41)。場面によっては、歩かせてもいいという気持ちがあったのですが、今年は“圧倒”というスローガンを掲げていて、常にゾーンで勝負できている。3四球はその証拠だと思います。
――ストライクゾーンで勝負できている要因の1つに、昨オフに取り組んだストレートの質の向上が挙げられています。今回は“変化球特集”ですが、球界には昔から『ストレートがあっての変化球』という格言がありますので、まずは、なぜストレートに目を向けたのか、そこから教えてください。
菅野 『ストレートがあっての変化球』は、本当に基本だと思います・・・
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