今季3年目で初めて先発ローテに入り、いまや阪神先発陣の軸になった。その覚醒を促したのがチェンジアップを取得したことだ。その“出来立て”の秘伝を伝授してもらった。 取材・構成=椎屋博幸、写真=早浪章弘 打者に真っすぐだと錯覚させる
大学生のときから少し使っていましたが、精度がよくなかったんです。実際に試合で使い始めたのは、昨夏ぐらいからでした。さらに昨オフに能見(篤史)さんの自主トレに参加したときに、しっかり腕が振れているのによく抜けるなと思い、何度も能見さんのピッチングのビデオを見ました。近くにいるのだから聞けばいい?実はその前に能見さんに握り方を聞いたことがあるんですが、自分にはそれが合わなかったんです。そこはあきらめて、ビデオでどういう感じで抜いているのか繰り返し見ながら、それができるポイントを探しました。
さらに、投球練習のときに、指のすべてをロックした状態で投げたり、中指、人さし指に力を入れずに投げたりと、指の感覚を試行錯誤するうちに、うまくボールが抜け、コントロールが定まる握りを見つけたんです。それが今回紹介する握りです。この球種が出来上がったのは、この春のキャンプの紅白戦でした。スライダーが曲がらないので、チェンジアップを多投したんです。そうしたら実戦の中でうまく抜けてくれるようになりました。本当に“出来立て”と言っていいかもしれないですね。
前:ボールを抜くことが前提だが、しっかりとした腕の振りでストライクゾーンに投げたいので中指をボールの真ん中に置く
投げ方ですが・・・
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