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2016キャッチャー特集

阪神・原口文仁 “超変革”の正捕手へ 「疲れている暇はない」

 

打撃好調の中で一軍昇格、その勢いで月間MVPに



── 一方、打撃のほうに関しては一軍で苦労はありましたか。いきなり5月期の月間MVPを獲得しました。

原口 二軍でバッティングの調子が上がってきたところでの支配下登録でしたので、そのままの調子でプレーできたことは大きかったです。そこまで緊張することなく打席に入れましたので。ファームでやってきたとおりのことをそのままの勢いで一軍の打席で出せて、MVPは取らせてもらいました。勢いで行きました(笑)。

──投手の球も一軍と二軍は違うと言われます。

原口 打っているとき、調子がいいときは、一軍、二軍も関係ないと思いました。一方で、一軍で抑えられるときは、打ちにいくゾーンが低いです。インコースを突かれて、低めで勝負されているな、と。

── 一軍では1打席の中で、まったく打てるボールがなかったということもあるのではないでしょうか。

原口 ありましたね……はい、実際にありました。でもそこを何とかしてヒットにしないといけないです。今の僕の場合は、もらっている打席なので、「あのボールはしょうがないよ」ということはできないです。

──もらっている1球1球だという気持ちですね。

原口 はい。だから1球たりともムダにしたくないですし、守備も同じ気持ちです。今は、自分のためのプレーがチームのためになると、思いながら臨んでいます。どのような打席でも塁に出て、得点圏に走者がいたら、どんな形でもホームにかえす打撃をしたいです。打つことで勝ちに貢献できますし、結果を残していきたいと思います。

──いい打撃をすれば気持ちよく守備に就けますよね。

原口 それは全員そうだと思います(笑)。今は本当にいい経験をさせてもらっているので、疲れている暇はないです。

──これが思い描いていた充実感というものでしょうか。

原口 はい。なかなかこんなに毎日試合に出て、キャッチャーをやってということはなかったので。しかし一軍は、想像以上に緊張しますし、これから先、シーズン中盤、終盤になればすごいプレッシャーがかかってくるんだろうな、ということを今からでも感じています。今はとにかく打つほうも、守るほうもしっかり結果を出したいという気持ちで毎日を過ごしています。

金本監督から打撃を買われ一軍に抜てきされた。その勢いで月間MVPに輝くなど、まさにシンデレラストーリーを体現も、今後正捕手になるには守備、配球の面で信頼を勝ち取りたい


PROFILE
はらぐち・ふみひと●1992年3月3日生まれ。埼玉県出身。右投右打。182cm86kg。帝京高を経て2010年ドラフト6位で阪神に入団。12年に腰を痛めてオフに育成選手となった。その後、13年に死球骨折をするなど、不運が重なった。しかし、今季4月27日に支配下登録され、即一軍昇格。当日の巨人戦[甲子園]の代打で一軍デビュー。第2打席目に初安打を放った。その後はスタメンマスクをかぶりながら、5月に打率.380、5本塁打、17打点で、育成上がりの野手としては史上初めて月間MVPを獲得した。

ユーザープレゼント
原口文仁選手の直筆サイン入り色紙&ボール




※締め切りは2016年7月4日(月)、当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。※ご応募いただいた個人情報は、懸賞の目的以外での利用はいたしません。
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