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2016ドラフト特集

ドラ1候補 東京ガス・山岡泰輔の現在 「小柄な人は不利、というのを壊したい」

 

あのダルビッシュが絶賛した高校球児が今季、社会人3年目を迎えている。都市対抗野球を目前にした6月末、東京ガスのエースに成長した172センチの小柄な右腕を、東京都内グラウンドに訪問。今の心境を聞いた。
取材・文=滝川和臣、写真=長岡洋幸、BBM

先にプロで活躍する同世代から刺激を受け、「早く彼らを追い越したい」とライバル心を燃やす


松井裕らと同世代社会人を選んだ理由


 山岡泰輔は屈託のない笑顔、リラックスした表情でインタビュールームへと入ってきた。6月1日の、人生最大の“試練”と直面していたあの日とは別人である。JABA北海道大会を控えたこの日の全体練習はオフ。しかし、入社3年目の若武者に休む時間はない。野球人生を左右する大勝負が控えていたからだ。

 高校から注目される存在だった。瀬戸内高3年の夏、広島大会決勝では広島新庄高の田口麗斗(現巨人)と大熱戦。延長15回で決着がつかず(0対0)、翌日の再試合を制し甲子園出場を決めた(1対0)。全国舞台では初戦敗退も、ダルビッシュ有(現レンジャース)がキレのあるスライダーをツイッターで絶賛した。

 偉大な大投手からの“つぶやき”から3年が経過。ドラフト解禁年、社会人・東京ガスのエースとなった山岡は苦しんでいた。JR東日本との都市対抗2次予選・準決勝では0対0の8回に満塁弾を浴びて敗戦。鷺宮製作所との第3代表決定戦に負ければ、都市対抗出場が消滅する後がない崖っ縁ぷちだった。

 6月1日、この鷺宮製作所戦に先発した山岡は、決して本調子とはいいがたくストレートの球速は4月のJABA四国大会で更新した152キロの最速に届かない140キロ台中盤。「今までの野球人生でほとんど緊張したことがなかったのに、初めてプレッシャーを感じた試合。あんな経験は初めてだった」と目に見えない重圧が体にのしかかった。それでも9安打を浴びながらも絶対に負けられないと悲壮感すら漂わせて、9回無失点で東京ガスを4年連続の東京ドームへ導いた(2対0)。

「無心でした。会社の方もたくさん応援に来ていただき、調子がどうのこうのという状況じゃなかった。絶対に抑えて都市対抗に行かなければという強い気持ちだけだった」と涙の完封勝利を振り返る。大一番の試合で粘り、勝利につなげたことは大きな収穫となった。

 高校時代には田口や松井裕樹(現楽天)と並んでドラフト候補にリストアップされたが、迷った末にプロ志望届は提出せず社会人を選んだのは、アマ最高峰のフィールドで自分を磨きたかったからだった・・・

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