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特集・追憶の夏甲子園

特別対談・平沢大河xオコエ瑠偉 “あの夏”を振り返る

 


昨夏の甲子園、準決勝で明暗が分かれて直接対決はならなかったが、聖地を大いに沸かせた2人と言っていい。ともにドラフト1位。プロ1年目、新たな世界で挑戦を続けるオコエ瑠偉(楽天)と平沢大河(ロッテ)が、あの夏の想いをぶつけ合った。
取材・構成=富田庸、写真=毛受亮介、BBM

甲子園という大舞台で勝ち進む中で


2年秋の神宮大会で優勝し、翌春のセンバツに出場したのが仙台育英高の平沢大河。一方、関東一高のオコエ瑠偉は、秋季東京都大会準決勝で二松学舎大付高に敗れ、最後の夏を目指すことになった。最上級生となり、ドラフト上位指名候補としてさらに注目されるようになった2人が、互いの存在を意識するようになったのはいつのことだろうか。

平沢 オコエの存在を知ったのは、3年の春ぐらいだったかな。すごいヤツがいるというウワサを聞いて。でも、特に意識するとか、ライバル意識というものはなかった。で、甲子園については、仙台育英高で1年夏にスタンドで応援したのが最初。とにかくほかの球場とはまったく違う雰囲気があって、声援もすごかったのを覚えている。

オコエ オレは3年夏、初めて甲子園のグラウンドに足を踏み入れた。高校野球では珍しい、アルプス席にそびえ立つスタンドが圧巻で。今でこそ口に出して説明できるけど、当時は息をのむほどの迫力を感じたね。オレたち、冬場から必死に練習してきたし、東東京では絶対に勝てるという自信があったんだ。でも、全国ではどうなのかな……という不安な気持ちも少しあったかな。

平沢 オレの場合、3年夏の宮城大会では自分だけが打てなくて、チームに迷惑をかけっぱなしで……。1回戦の明豊高(大分)戦ではとにかく、勝つことだけを考えていた。自分としては何とか1本出ればいいなと思っていて。初回の第1打席ではヤマを張っていた真っすぐをとらえて、本塁打を打つことができた。あれで肩の力が抜けたというか、ようやく夏がスタートしたという感覚で。チームとしても1試合最多となる10二塁打。よくあんなに打ったなと思ったよ(笑)。

オコエ オレが平沢の存在をはっきりと認識したのが、あの本塁打だったと思う。特に体がデカいわけではないのに、スゴいな、よく飛ばすな、と。

仙台育英打線の中軸に座る平沢の持ち味はシュアなバッティングだった。甲子園では3本塁打をマークするなど強烈なインパクトを与えた


平沢 オレたちのチームはすごく仲良かったし、まとまりがあった。副キャプテンという立場だったので、自分の成績というよりは、チームメートをいかに鼓舞するかを考えていたかな。とにかく自分たちの勝利が第一だったから、ほかの学校の選手とかはまったく意識していなかった。それでも、オコエのあの活躍ぶりはさすがに耳に入ってきたよ・・・

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