投手にとって、自身の白星はコントロールできないものだ。いくら相手をゼロに抑えても、味方打線が無得点ならば勝利投手にはなれない。もし権利を手にして降板しても、救援が打たれればはかなく消えることもある。広島のドラ1ルーキー・岡田明丈は春先から先発ローテ入りを果たして実力を発揮したが、8試合連続白星なし。それでも、自らの踏ん張りと先輩の助言もあり、長いトンネルを抜け出した。 取材・構成=吉見淳司、写真=松村真行、BBM 暗闇から栄光へ
──7月終了時点で13試合に先発し、3勝3敗、防御率3.18。ここまでの数字は納得のいくものですか。
岡田 仕方がない、ではないですけど、今の自分の状態ではこれくらいなのかと。防御率が良くないですし、もっと抑えられる場面があったと思っています。
──それを改善するためにやっていることは。
岡田 これまでと大きく変えることはありませんが、強いて言うならもっと打者一人ひとりに絶対に負けないという気持ちで投げ込むことですね。
──現在もマウンド上では自信を持って投げているように見えますが。
岡田 そこは意識しているので、これからも変えたくないところですね。
──では、納得できている数字は。
岡田 勝ち星は少しずつついてきていますし、チームが勝つことにもつながっていると思います。
──6月18日の
オリックス戦(マツダ広島)までに7試合先発しながら、自身だけでなくチームにも白星がありませんでした。
岡田 あまりそういうところは気にしないほうがいいと先輩から言ってもらっていました。結構ロースコアの試合が多く、相手投手も良い選手ばかりだったので、自分でもあまり考えないようにしていましたね。なかなか勝てない時期は黒田(博樹)さんや野村(祐輔)さんから声をかけてもらえました。
──その18日のオリックス戦では岡田選手には勝ちは付きませんでしたが、
鈴木誠也選手のサヨナラ3ランでチームは勝利を収めました。
岡田 自分自身に勝ちが付かなくても構わなかったですし、素直にうれしかったですね。デーゲームが続いていたので、そこでようやく勝てたことが良かったと思います。
──岡田選手自身の初勝利は次の25日の
阪神戦(マツダ広島)となりました。
岡田 最初のほうはいい投球ができていたと思うのですが、7回無死から2失点してしまったので。ムダな点をやってしまいました。ああいうのが1試合に何度かあるので、そういうところをなくしていかないといけません。
──初白星をきっかけに、その後3試合では2勝を挙げました。何か変化があったのでしょうか・・・
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