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特集・イチローが刻む安打伝説

イチローはどこまで伸ばせる?MLB3000本安打のレジェンドたち

 

3000本安打。メジャー140年超の歴史においてもこの大台を突破した選手は、数えるほどしかいない。「3000 Hit Club」と呼ばれる“聖域”に足を踏み入れたのはイチローで30人目、もちろん日本人では初の快挙だ。
写真=Getty Images


 日本で9年プレーし1278本安打を放った後にメジャーに挑戦。MLBで30人目となる3000本安打の金字塔を打ち立てたイチローには、惜しみない称賛の声が贈られている。8月7日(現地時間)のロッキーズ戦で3000本安打に到達すると、10日のジャイアンツ戦で2安打、12日のホワイトソックス戦で1安打放ってメジャー通算3003安打とし、通算安打リストの29位にランクインしている。

 今後の焦点はイチローがどこまで数字を伸ばせるか、となる。しかし、上には上がいる。歴代1位ピート・ローズは4256安打、2位タイ・カッブは4189安打とこの2人のみが4000安打を超え、3位ハンク・アーロンの3771安打を大きく引き離している。2014年にデレック・ジーターが3465安打(6位)で現役を引退した今、4000の“大台”に乗せる選手はしばらくは現れそうにない。

 現時点で29位のイチローはあと4本で28位アル・ケイライン、7本で27位ウェイド・ボッグスに並ぶ。しばらくは安打を重ねるたびにランクアップする状況が続く。順調にいけば、今シーズン中には20本上をいく24位ルー・ブロックをとらえるだろう。

 8月12日(現地時間)には、3115安打(19位)のアレックス・ロドリゲスがシーズン途中にもかかわらず現役を退き、イチローが現役で最多安打となった。ほかの現役で3000安打に近づくエイドリアン・ベルトレイ(2888安打)とアルバート・プホルス(2776安打)の“Club入り”は来季以降となりそうなことから、しばらくはイチローが現役トップという状況が続くはずだ。MLB安打数の偉大な“頂”に向かって42歳・イチローが1本1本、歩みを進めていく。

1位 P.ローズ、闘志あふれるプレーで愛された。85年に通算最多安打記録を更新し脚光を浴びたが、後年、野球賭博で永久追放に


2位 T.カッブ、20世紀初頭を席巻した打撃王。1907年からの9年連続を含めて首位打者獲得12回


3位 H.アーロン、ベーブ・ルースを超える通算本塁打755本を放った強打者。安定してヒットも量産した


4位 S.ミュージアル、腰をくねらす独特なフォームから的確にミート。人格者としても知られる“ザ・マン”


6位 D.ジーター、ご存じヤンキースの“貴公子”。打撃タイトルはなかったが、最多安打2回。14年引退


14位 C.リプケン、メジャー歴代1位となる2632試合連続出場を記録。試合に出続けることで安打を積んだ


19位 A.ロドリゲス、通算700本塁打まで4本に迫りながら、8月12日の試合で緊急引退、ユニフォームを脱いだ


22位 R.ヘンダーソン、安打よりも俊足が有名。12回の盗塁王で通算1406盗塁の最多記録も保持


30位 R.クレメンテ、広角に鋭い打球で3000本安打を達成。72年に飛行機事故で帰らぬ人に


39位 A.ベルトレイ、現役。積極果敢なフルスイングが身上で飛距離は現役トップクラス。「3000」を視界にとらえた


52位 A.プホルス、現役。デビュー以降、10年連続で3割30本塁打100打点を達成した現役MLB最強打者

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