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特集・イチローが刻む安打伝説

オリックス時代のコーチ・中西太氏からイチローへの祝福メッセージ!

 

イチローの恩師といえば、オリックス時代の監督・仰木彬(故人)それまでの首脳陣が矯正を指示していた振り子打法を認めて抜てき。登録名を「イチロー」とした人でもある。ここでは仰木監督の盟友で、オリックス時代のヘッドコーチでもある、中西太氏にメッセージをもらった。
取材・構成=井口英規、写真=BBM


生活の大半を準備に費やす


ヘッドコーチと選手の関係も、中西氏[写真右]は「技術的なことは何も教えてない」


 仰木(彬)君(オリックス時代の監督)が一番喜んどるよ。イチロー君をのびのびと特長を生かして成長させ、アメリカにしっかり送り届けたんだからね。仰木君は、イチロー君に会いにアメリカに行くのを楽しみにしていたからな。ワシか?ワシは土産を託すくらいじゃった。

 ワシは彼がオリックス時代(95〜97年)にヘッドコーチじゃったが、彼に技術的なことは何も教えてない。しつけの部分やな。ちょっと耳に引っかかることもあったと思うよ。スローイングでもしっかり基本どおりに投げろ、とかな。いくらいい選手でもいいプレーをきっちりやるのが大切というのがワシらの考えだからね。あのころセンターに本西(厚博)がいて、ライトがイチロー、レフトが田口(壮)。田口は不器用じゃったが、頑張って努力をしていい外野手になった。足があってスローイングもいい選手で、しっかり外野を固めたから、多少守れない外国人でも使える。チームにはそういうバランスが必要なんだ。

 投手も、それほどすごい選手がいたわけじゃないが、特徴を生かして組み合わせたことで、優勝した2年間はいい仕事をしてくれた。仰木君はそういうことがうまかったね。そういえば、ワシが足が速かったと言ったら、冗談を言ったと思ったのか笑っていたときがあった。ウソじゃない。ほんまじゃよ。ワシも若いころから太っていたわけじゃないからね(笑)。

 イチロー君が一番いいのはケガをしないことだよね。もともと体の硬い子で、ストレッチや予備運動をしっかりやっていた。試合前にお風呂に入ってぬくめていたからね。自分の体をよく知っていて、自己管理だな。いまは自宅にトレーニング器具を置いているそうじゃね。球場だけでなく、生活の大半を準備に費やしとる。そうじゃないと記録をあそこまで延ばせんし、だからこそ、あの年まで自分の武器である足に衰えがないんだろうね。ただね、体が硬いというのは悪いことばかりじゃない。一度覚えると、ブレないんだ。逆に、柔らかいというのは崩れるということも多い。

 あまり優勝には縁がないが、メジャーで3000安打という驚異的な数字を残して、日本の国民、子どもたちを喜ばせた。一緒にやった仲間としてはうれしい限りや。マーリンズというチームもよかったんじゃなろうな。無理をせず、使ってくれとるからね。何か一言?ここまで来たんだ。あとは自分の好きなようにやりなさい。それだけさ。

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