現在の広島は、中継ぎ、抑え投手陣が大きな力となり首位を快走中。以前の広島は先発完投型のチームだったが、それを変えたのが2006年に監督に就任したマーティ・ブラウンだ。4年間の在任中Aクラス入りは1度もなかったが、現在の広島投手陣の礎を築いた存在ともいえる。そのブラウン氏が、25年ぶりの優勝へ向けひた走るカープにエールを送り、当時のことを振り返った。 取材・構成=奥田秀樹、写真=BBM 完投型投手陣から役割分担の投手陣へ
監督として契約して日本に来たとき、球団からはこれまでカープがやってこなかったことをどんどんトライしてほしいと言われたんだ。カープの野球を変えるために私が採用されたんだともね。だからまず、投手の起用法を変えなければと思った。例えば完投数が極めて多かった
黒田博樹についてもそう。黒田は終盤疲れてきて70%の力しか出なくても、ブルペンの誰よりもいいボールを投げられたし、完投が普通だった。しかし、優勝したいのならそれは賢明な考え方ではない。投手陣全員に、それぞれの役割を明確にし、自分の立場を理解してもらい、みんなで戦っていかねばならない、と伝えた。
私は、黒田をキャプテンに任命し、黒田自身も私を信じ、投手起用についての新しい考え方を理解しようとしてくれた。彼とは何度も話し合ったし、キャプテンとしてチームを引っ張ってくれた。ただ、彼が自分のことについて、ああしてほしいこうしてほしいと要求してくることはなかったね。いつもチームのためにと考え、どうすれば若手の力を引き出せるかなど、相談に乗ってくれた。
就任後、投手陣再編に着手するとき、まず当時の大エース・黒田を主将に任命し何度も話し合うなど、信頼関係を築いた
新井貴浩もそうだった。私の日米合わせて22年間の監督生活の中で、彼ほど・・・
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