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特集・パ・リーグ最終章

F栗山英樹監督vsSB工藤公康監督 優勝目指す指揮官の戦い

 

百戦錬磨のソフトバンクか、総力戦を挑む日本ハムか――。明暗の分かれ道はもちろん、この2人の手腕にかかっている。冷静かつ熱く。時に非情に。頂点を目前にした指揮官たちはどんな戦いを見せてくれるのだろうか。

日本ハム・栗山英樹監督 信念のタクト



 何が起きても、すべてを受け止める覚悟がある。日本ハムを率いる栗山英樹監督は優勝だけを目指し、ひたすら前に進むことだけを考えてきた。「選手のために、できることをやり尽くさないといけない。考え尽くさないといけない」。揺るがない唯一無二の目標へ向かって、身命を賭してきた。「休みの日には動けなくなる」ほど大好きな野球で頂点を奪うために日々知恵を振り絞り、信じた道を突っ走ってきた。時に非情采配と言われようとも。

 就任5年目。勝利優先のなりふり構わない姿勢を随所で見せた。大きな決断を強いられたのは6月27日の西武戦[札幌ドーム]。7回二死一塁の場面で不動の四番である中田翔に、代打の切り札である矢野謙次を送った。状況は2点ビハインド。コンディション優先の采配ではない。この試合を含めた直近10試合で38打数4安打、打率.150と極度の不振。過去4年、故障以外では四番から外したことのない“聖域”に踏み込んで逆転勝利に導いた。

 試合後、その場面について問われた指揮官は「腰の張りがあるということで……」と多くは語らなかったが、続く2試合はスタメンからも外して欠場させた。栗山野球を象徴する選手に対してですら厳しく向き合った2016年。中田と同様にチームの顔として起用してきた陽岱鋼も調子が落ちれば代打やスタメンから外し、シーズン序盤から守護神として不調だった増井浩俊は先発へ転向させる大胆策も敢行した。

「オレは何を言われてもいい。嫌われてもいい・・・

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