チャンピオンフラッグを手にするために、激しいつばぜり合いを繰り広げているソフトバンクと日本ハム。それは当然、豊富な戦力をそろえているからこそなのだが、本当の強さはどういった点にあるのか。セイバーメトリクスによって、両者の真の実力をあぶり出していこう 分析=DELTA、文=秋山健一郎、写真=BBM。数値はすべて9月16日時点
wOBA(weighted On-Base Average) 出塁力、長打力の両面を考慮した打者の総合的な力を計る指標。
wRAA(weighted Runs Above Average) wOBAと打席数を使って算出する貢献量を示す指標。同じ打席数をリーグの平均的な打者が立った場合と比べて増やし(減らし)た得点を意味する。
wRC(weighted Runs Created) 同じく貢献量を示す指標。その打者が得た打席での働きの総量を得点換算したもの。Runs Created=創出得点。
tRA(true Run Average) 奪三振、与四死球、どんな打球(フライ・ゴロ・ライナー)をどれだけ打たれたかという、守備力の影響を受けない要素を用いて、投手の実力を評価する指標。
DER(Defense Efficiency Ratio) 本塁打を除くインプレー打球がアウトになった割合。おおづかみながら、チーム全体の守備の働きをつかめる指標。
非常に似通った打撃成績。盤石さでは日本ハム
他の4球団を置き去りにして、空前絶後のマッチレースを演じてきたソフトバンクと日本ハム。それぞれ130試合、131試合を終えた9月16日時点で勝利数では1、敗戦数では2という僅差にある。【表1】
勝敗数の実態をよく表す値、得点と失点でも両軍は極めて近い値を記録しており、総得点で2点、総失点でも10点の差しかない。近いスタイルの野球で、激しいつばぜり合いが行われてきた様が表れている。
ただ、得点と失点を決定づけている要素について掘り下げていくと両軍の強みや弱みが見えてくる。
まず得点に結びつく打撃成績を比較したのが【表2】と【表3】である。
【表2】は一般的な打撃指標での比較だが、こちらの数字でも両軍は恐ろしく近い値で競っている。出塁率、長打率はほぼ同値だ。打率では日本ハムが上をいくが、ソフトバンクは四球をよく奪って対抗。本塁打も日本ハムによく出ているが、ソフトバンクは二塁打、三塁打で上回りこちらも対抗してきた。犠打の多さと盗塁の成功率の高さについては日本ハムの個性が表れている。
【表3】はより詳しい打撃指標での比較になる・・・
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