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DeNA 狙うぜCS突破!

OB・野村弘樹の視点「仕事を明確化し自覚を促したラミレス監督」

 

DeNAとして初めて、クライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。球団史に新たな歴史を刻んだ選手、そして今年のチームの強さは一体どこにあったのだろうか。今季の投手陣について、野村弘樹氏にOBならではの視点で分析してもらった。そしてCSファーストステージでの戦い方とキーマンは――。
取材・構成=椎屋博幸、写真=BBM


シーズンを通じて変化しなかった起用法


 今季のチーム投手防御率3.76は、狭いハマスタ(横浜スタジアム)を本拠地にするチームとしては立派な数字だと思います。その中で、先発陣が1年間ローテを守ったことがCS進出を決めた要因の一つです。

 4月はチーム防御率が良かったのですが、打線が低迷したことで試合では負ける試合が多かった。しかし、打線はそのうち上がっていくし、いい打線なので、この投手陣ならもしかしたら、と思い始めました。

 特に石田健大今永昇太という若い左腕が、前半戦しっかりと先発ローテを守れたことが大きかった。それとともに、ラミレス監督が、勝っていても負けていても100球をメドに交代させていました。1年間シーズンを投げ抜いた経験がない若い2人を1年間投げさせる最善の策だったと思います。残念ながら今永はそれでも約1カ月戦列を離れましたが、石田は1年間もちましたし、今では先発の核を担うまでになりました。序盤戦の数試合で完投できる試合がありましたが、そこで投げさせていたら……もしかしたら、後半戦は完全にへばっていたかもしれません。今永も7月に復帰してきて9月の戦力になりましたし、CSでも先発できます。これは大きいですよ。

 一方で、監督は経験のある山口俊井納翔一を完投できそうなときは完投させる采配をしました。このように先発各投手の能力を見極め、シーズン終盤を見据えた采配は素晴らしかったと思います。投手コーチともたくさん議論したでしょうが、監督はよく我慢したと思います。

 中継ぎ陣を先発の起用法に合わせてうまく回したことも要因の一つです。石田、今永などのときは100球前後での降板ですので、中継ぎ陣に踏ん張ってもらいながら、山口には完投させ、中継ぎ陣を休ませるなど考えていました。たとえ、中継ぎ陣が打たれ先発の白星が消えたとしても、前向きな発言をし、信用して使い続けました。

 その中で・・・

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