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2016年プロ野球記録集計号

異次元の領域に足を踏み入れた二刀流、日本ハム・大谷翔平の献身と貢献価値

 

2016年プロ野球の主役は間違いなくこの男だった。投手として2ケタの10勝、打者としても打率.322、22本塁打と4年目の二刀流は異次元の領域へと足を踏み入れた大谷翔平。22歳の才能が刻んだ軌跡をたどる。
データ分析=DELTA、構成=編集部


“二刀流に挑戦する”信念が引き寄せた優勝


 昨年の今ごろ、3年目のシーズンを終えた大谷翔平は投手として大きな成長を見せ、パ・リーグを代表する投手へとスケールアップを果たした。しかしそれとは対照的に、打撃では大きく成績を落としていた。.202という低打率や、大幅に増えた三振の数などを見て「そろそろ投手に専念すべきタイミングではないか……」という声もよく聞いた。一昨年の「10勝・10本塁打」という成果で可能性を広げた“二刀流”に再び懐疑の眼が向けられていたのが昨オフの状況だったように思う。

 だがそんな中でも大谷本人や日本ハム首脳陣に二刀流に対する迷いはほとんど見られず、粛々と次のシーズンに向けた準備にとりかかっていた。今シーズンの日本ハムの優勝は球団と本人が一丸となり、信念を持って取り組んだ大谷の二刀流起用がなければありえないものだった。それは数字の側面からも断言できる。

 大谷のこの3年間の成績を打撃成績、投球成績、そしてそれぞれの貢献を得点や勝利に換算した値(WAR= Wins Above Replacement)で確認していくと、それぞれの成長の程度とチームの成績に対する影響力が分かる。


 打撃【表1】では安打に占める長打の割合を大きく高め・・・

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