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2017ドラフト特集

清宮幸太郎(早実・内野手) 怪物が下す最善の選択

 

取材・文=岡本朋祐、写真=中島奈津子

プレッシャーを力に変える器の大きさ


昨秋の新チームから主将となり、自ら「GO!GO!GO!」とスローガンを掲げた。練習でも一際大きな声で63人の部員をけん引する


 唯一無二の怪物であると確信したのは、昨秋の東京大会準決勝(対国士舘高)だ。試合会場は神宮第二球場で、定員の5500人に迫る大観衆であった。試合後は主将・清宮幸太郎を見たさに、球場周辺は大混乱となった。報道陣もテレビ、新聞・通信・雑誌各社が背番号3に注目。

 取材スペースは、異例の場所に設定された。オコエ瑠偉(現楽天)を擁する関東一高と対戦した1年春の都大会準々決勝、2年春の都大会1回戦(対町田高)はほかの選手が引き揚げた後のロッカールームで行われたが、手狭のため変更。主にプロ野球が使用する、神宮球場のビジタークラブハウスを用意。清宮は第二球場入口に横付けされた車に乗って、わずか200メートルを移動。クラブハウスの駐車場ゲートに入ると、無数のフラッシュがたかれている。ふと漏らした関係者の声を聞き逃さなかった。

「まるで、芸能人だな」

 清宮は生まれながらスターの宿命にあった。父・克幸さんは早大、サントリーで活躍したラグビーの名選手で、早大監督として日本一へ導き、現在はトップリーグ・ヤマハ発動機の監督。親譲りの運動センスで、ラガーマンとしての適性もあったが2006年夏、大きな人生の転機を迎えた。

 清宮は早実初等部1年時、斎藤佑樹(早大-現北海道日本ハム)が全国制覇を遂げた感動シーンを甲子園のアルプス席で共有し、野球一本で勝負していく決意を固める。東京北砂リトルに在籍していた早実中等部1年夏には、世界選手権に出場し世界一を遂げ、現地メディアが「和製ベーブルース」と報じ、日本国内でも大きく取り上げられた・・・

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