抑え候補に名乗りを挙げる。落差の大きなフォークに加え、昨季は10度のイニングまたぎをこなすなど、流動的な起用法も苦にしない。小久保裕紀監督が日本代表を率いて初の代表入りと、寄せられる期待は大きいが、本人は至って冷静だ。世界一奪回に貢献するためジャパンでも“不動心”を貫く。 取材・構成=富田庸、写真=小山真司、上野弘明(インタビュー) 自信を胸に腕を振る
WBC開幕まで約1カ月半を前に、平野佳寿の日本代表入りが発表された。課題と言われる“抑え”候補としての期待は大きい中で、急ピッチの調整を余儀なくされているが、右腕に焦りはない。自らの力を発揮するために“平常心”を心がけ、そして“自信”を胸に腕を振る──。迷いなく投げ込み、日本を勝利に導いてみせる。 ──多くの人が気になっているのがボールへの対応だと思います。WBC球を投げてみて、いかがですか。
平野 もちろん日本のボールと、ちょっと形も違いますし、質も違う印象は受けています。投げていてボールの軌道も変わります。ただ、軌道がいつもと違うからと言って、WBC球でも、日本のボールと同じ軌道にしようとは思っていません。そういうモノだと割り切っています。
──ボールを完全に操ろうとするのではなく、WBC球を投げる中で、どう投球するかを大事にしている。
平野 そうですね。日本のボールより曲がるんだったら、それでいいと思っています。曲がり過ぎると、コントロールするのは難しくなりますが、その変化幅で自分の投球をできるかが大事になってきますから。
──
オリックスでのキャンプには、第2回大会で投手コーチを務めた
山田久志さんが臨時コーチとして来られました。ブルペンでの投球後は何か話をされていましたが。
平野 外国人を相手にして投げるので、変化球はとにかく低めに、ということや・・・
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