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いざ、開幕!SPインタビュー

ソフトバンク・千賀滉大インタビュー 次は日本で、魅せる

 


ついにペナントレースが開幕。今年はどんなドラマが繰り広げられるのか──。今回は昨季パ・リーグを席巻したソフトバンク日本ハムから、今年のキーマン2人のインタビューをお届けする。WBCでフォークを武器に世界を驚愕させた、ソフトバンクの強固な先発4本柱の一角だ。大舞台での貴重な経験を経て迎える、今シーズンへの意気込みを語ってもらった。
取材・構成=菊池仁志、菅原梨恵、写真=湯浅芳昭、小山真司、高原由佳 ※日付はすべて日本時間

自分の投球でチームに良い流れを


2017年、新しいシーズンの幕が上がった。昨季、3連覇を逃したソフトバンクは先発ローテーションに若い顔ぶれが並ぶ。143試合の長いシーズンを戦い抜くにあたり、工藤公康監督が重視するのは「実績」。しかし、昨年まで5年連続で開幕投手を務めた攝津正や日米通算164勝の松坂大輔の名前はそこにはない。球団が掲げる「10連覇」の大目標に向け、骨子となる投手陣を長期的視野で育成してきた球団の取り組みが形として表れ始め、「実績」ある若手がそろってきた。11年、育成ドラフトで入団。150キロ超の直球と落差あるフォークを武器にリリーフとして頭角を現し、昨年は先発ローテーションの一角を担った千賀滉大は、それを象徴する存在だ。

──新しいシーズンが始まりました。

千賀 僕の中では楽しみな気持ちが大きいです。去年、初めて1年間通してやれて、今年が2年目という感じ。この1年をどのように過ごしていけるのかという楽しみです。本当に大事な1年になることも分かっています。

──昨季、先発ローテーションで回り、今年に生かせるものがあるのでしょうね。

千賀 考えて投げることの重要性を実感したシーズンでした。それまではただキャッチャーの出すサインに応じて、そのとおりの良い球を投げることくらいしか考えてなかったんですけど、自分で考えるようになってピッチングが面白くなってきました。むやみやたらに力勝負にいってもいい場面とダメな場面がありますし、カウントによって打者の狙いや打ちにくる雰囲気をつかもうとすることによって、バッターとの駆け引きの部分も少しはできるようになってきたと自分では思っています。ただ、去年、2ケタは勝てましたけど(12勝)、もう一つ、自分の詰めの甘さを実感した1年でもありました。そうしたところを突き詰めていけばもっと勝っていけると思います。そういう意味でも今年1年は大事です。

今春のキャンプではWBC用に整備された硬めのブルペンで連日の投げ込み。時折笑みもこぼれた


──具体的に詰めの甘さに悔いが残っているシーンとは?

千賀 どの1試合というものでもなく、去年は1点、2点差で勝っている展開の終盤に打たれて、同点に追いつかれて降板する試合が多かった点です。僕に負けはつかないんですけど、それで勝ちを逃すだけじゃなく、チームが負けることも多くて、それは僕が流れを悪くしてしまったことが原因だったと思っています。反省すべきところが多かったので、そういう点を修正していければ今年はもっともっと良くなると思っています。

──昨季以上の成績を残す手応えをつかんでいそうです。

千賀 去年は1年間、ケガをせずにやれたという点では評価できると思っていて、今年もそれを続けていきたいという気持ちが第一です。去年の成績から見れば、25試合先発して12勝(3敗)したとはいえ、僕に白星がついていない試合の大半はチームが負けているんですよね(2勝9敗2分け)。それを考えると、僕が良い流れを持ってこられなかったということです。まだまだ突き詰められる部分はあると思っています。

──まずは1年間、先発ローテーションを守ることですよね。

千賀 その上で後半の余計な失点をなくしていけば勝ち星も増えるし、防御率も上がってくると思います。数字に関しても去年の成績が第一歩だと思っているので、この先、さらに上のモノを毎年、残していきたいと思っています。そのためにもケガなく1年間回ることです。

──「突き詰める」という点では昨季、1勝足りずに逃した勝率第一位のタイトルも含まれるのでしょう。

千賀 そうですね。シーズンで投げた最後の試合(9月27日、対ロッテ・QVCマリン)、2点リードをもらっていながら、8回に連続押し出しで追いつかれました。足りないのは僕のそういうところです。いろいろ大事な試合も経験させてもらってきましたが、例えば、7回2失点で許される試合と許されない試合があります。クライマックスシリーズや日本シリーズ、侍ジャパンの試合もそうでしたが・・・

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