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超一流のブレーク前夜

二刀流はなぜ実現したのか? 大谷翔平の才能を育んだ3人のキーパーソン

 

時に周囲の批判の声にさらされながらも二刀流を実現できたのは周囲の支えがあったから。いつも温かな眼差しで大谷翔平を育んできた3人のキーパーソンたち。その存在が規格外のスーパープレーヤーを生んだ。
写真=BBM


栗山英樹監督 「世界一の選手」にするために


 大きな志とあふれる愛情で大谷翔平の成長に全精力をかけてきた。入団当初から外出時は栗山英樹監督の許可制を導入した。過度なマスコミ対応を避けるため、担当記者との取材は1日1度の制限も設けた。オーバーワークによる故障も懸念し、日々のトレーニングもすべてチェック。投手と野手の出場バランスも綿密なプランを立てて徐々に増やしていった。誰も歩んだことのない道を進む「正解」は誰も知らない。試行錯誤を繰り返しながら投打で日本最高のレベルに近づいている。それでも二刀流続行への批判の声はゼロでない。


 そうした逆風の盾になってきた栗山監督は「われわれは大谷翔平を世界一の選手にする責任がある」と言う。野球界におけるパイオニアを口説き文句にメジャー志向の逸材を日本ハムへ入団させた。批判は静かに受け止め、反論は封印。信じた道だけを歩ませる環境を作った。それでも栗山監督は大谷とも一定の距離感を保つ。1つの結果にとらわれず妥協しない関係性を構築した。大谷にとって栗山監督が一番の味方であり、一番厳しい人。特異で特別な二人三脚の師弟関係から、夢を与えるスーパースターは育まれてきた。

中垣征一郎トレーナー 二刀流を可能にした卓越した理論


プロ入団時から大谷をサポートし続けてきた中垣氏[左]。現在はMLB・パドレスでトレーナーを務める


 大谷の類まれなポテンシャルを正しく発揮させるために尽力した1人が前トレーニングコーチ(現在はMLB・パドレスに所属)の中垣征一郎氏だ。肉体強化だけではない、非凡な身体能力を・・・

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