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超一流のブレーク前夜

12球団主力選手 一流になるには理由がある! パ・リーグ編

 

プロ野球のユニフォームにソデを通したことに満足し、ただ、漠然と日々を過ごしていては殻を破ることはできない。結果を残し続けている選手は泥臭く練習を積み、成長へのきっかけを逃さない。未来を信じ、けっしてあきらめなかった者だけが一瞬のチャンスをつかめるものだ。一流になるには理由がある。12球団主力選手のブレークスルーできた秘密とは――。


日本ハム・西川遥輝 努力の天才が貫く、突出した練習量



 自他ともに認める練習の虫──。その突出した練習量が西川遥輝の豊かな才能を育んできた。プロ1年目は二軍本拠地の千葉・鎌ケ谷にある勇翔寮に隣接する室内練習場で毎日夜間練習を欠かさなかった。その姿勢はレギュラーを奪った現在でも変わらない。札幌ドームでの試合時にはナイターならば午前中には必ず球場入り。全体練習の前のランニング、ウエート・トレーニング、ティー打撃を早出で行うのがルーティン。試合後も実戦での反省を基にティー打撃を行う。球場を出るのが一番遅いのはほぼ決まってこの男だ。

 挫折もバネにしてきた。2015年は2年連続盗塁王獲得の可能性もありながらシーズン終盤に極度の不振で二軍落ち……。その悔しさを反骨心に変え、昨シーズンは不動の一番として大きく飛躍。昨年、広島との日本シリーズでも劇的なサヨナラ満塁本塁打を放ち、その名を全国の野球ファンに知らしめた。努力の天才。西川にはそんな言葉がふさわしい。


ソフトバンク・今宮健太 鍛えられた「人間力」、今も続く師弟関係



 ソフトバンクにとって、今宮健太が入団した2010年当時の大きな課題は、メジャー移籍を視野に入れていた川崎宗則の後釜を育成することだった。身体能力の高いドラフト1位野手に白羽の矢が立つのは当然のこと。当時二軍監督を務めていた鳥越裕介現一軍内野守備走塁コーチによる英才教育が始まった。

 最も鍛えられたのは「人間力」。プロとして野球を中心とした生活を支えてくれる人々や道具、それらの環境への感謝を忘れることは許されなかった。「当時、二軍にいた選手全員に厳しかったですが、健太は特別。かわいそうなくらい、つらく当たりました。健太の人間性は分かりませんでしたけど、将来のショートのレギュラーということでしたので、チームリーダー的存在になれるように一番厳しくやった」。そう当時を思い返す鳥越コーチを「野球人生を左右するくらいお世話になっている方」と今宮。2人の師弟関係は今も続いている。


ロッテ・井口資仁 大きな転機となった二塁コンバート



 アマチュア時代からアトランタ五輪の銀メダル獲得に貢献するなど、輝かしい経歴を引っさげてプロの門を叩いた井口資仁。ダイエー(現ソフトバンク)で1年目の1997年から一軍で結果を出しはしたものの、2000年に左肩を手術。54試合の出場に留まった。

 大きな転機が01年の遊撃から二塁へのコンバートだった。自身の野球人生を振り返り、「あのとき、森脇浩司さん(当時ダイエー内野守備・走塁コーチ、現中日内野守備走塁コーチ)とずっと練習していた。秋季キャンプで連日ボールを追っていた」と懐かしむ。遊撃手のときは・・・

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