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全国各地に潜む「超高校級投手」

本田仁海(星槎国際湘南高) 生命線のアウトロー

 

取材・文=大平明、写真=菅原淳

春季県大会準々決勝で昨秋の優勝校・慶應高を1失点[11奪三振]に抑え、星槎国際湘南高として初の4強へ導いた。9回の幕切れではガッツポーズ。スタンドで視察したNPB12球団のスカウトをうならせた


 高校球界の激戦区・神奈川で今春、最も注目を浴びている投手といえば、星槎国際湘南・本田仁海だ。ゆったりとしたフォームで、右腕からの真っすぐは最速146キロ。本田自身「右打者の外角低めが得意」と話しており、生命線のアウトローに決まったストレートは威力十分だ。また、変化球は「松井裕樹投手(楽天)を参考にしている」という決め球にも使えるタテのスライダーと、右打者の外角に出し入れする横のスライダー。さらに、緩急を付けるためのカーブを持っており「コントロールが持ち味」と低めに集める制球力が魅力だ。現在はセットポジションからの始動だが「前田健太投手(ドジャース)の躍動感があるフォームを研究している」とのことで、いずれはノーワインドアップからの投球も見られるだろう。

 ネット裏にNPB全12球団のスカウトが勢ぞろいした春季神奈川大会準々決勝で、本田は昨秋の県王者・慶應高に対し1失点で完投勝利。「打たせて取る投球で、低めを徹底して投げた」と振り返るように四死球はわずか1つ。一方で、奪った三振は11を数えた。巨人岡崎郁スカウト部長は「基本的に投げ方が良い。これからも見ていきたい」と興味津々。また、川和高との3回戦を視察したDeNA吉田孝司スカウト部長兼GM補佐は「雰囲気を持った、投手らしい投手。テークバックが安定してくればスピードがもっと期待できる」と、ドラフト対象のレベルに達していると示唆。さらに、「見た目以上に打者の手元でボールが来る」(ソフトバンク・福山龍太郎アマスカウトチーフ補佐)。「上体の使い方がうまい。体全体のバランスが整えばさらに良くなる」(阪神吉野誠スカウト)と、プロの評価も上々だ。

 初の準決勝進出となった横浜高との対決では・・・

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