プロ4年目を迎えた九里亜蓮。今季はルーキーイヤー以来の開幕先発ローテ入りを果たし、早くも自己最多に並ぶ勝利を挙げている。指揮官をうならせたポテンシャルがいよいよ開花となるか。 取材・構成=吉見淳司、写真=前島進、BBM ※記録は5月7日現在 大きな影響を受けた黒田の言葉
──今季は4月だけで自己最多に並ぶ2勝を挙げました。ここまでの手応えはいかがでしょうか。
九里 しっかりゲームを作ることを意識してマウンドに上がっているので、その面では最初の3試合はできたので良かったと思っています。
──今季初登板となった4月2日の
阪神戦[マツダ
広島]では6回1失点で勝利。前日までの2試合でジョンソン投手、
岡田明丈投手と先発が崩れる中で、チームを引き締める好投でした。
九里 前の投手が打たれているというのは正直気にしていませんでした。まずはしっかり自分の仕事ができるように投げていこうという気持ちだけだったので、いい結果がついてきてくれて良かったという印象ですね。
──4対1の5回一死満塁では
原口文仁選手を内角球で三塁への併殺打に打ち取りました。
九里 僕の中では点を取られてはいけないというイメージはなく、最少失点で切り抜けられれば何とかゲームは作れるという気持ちでした。それほど切羽詰まった感じではなくて、自分のボールを投げ込めて、結果的にはゼロでしたね。昨季までは「絶対にゼロで抑えたい」という気持ちが強過ぎて、自分で自分を苦しめてしまったというか。際どいところに投げてフォアボールを出してしまったり、ボール先行で打者を有利にしてしまっていました。今年は必ずゼロというよりは、先発としての役割を。最低限、クオリティースタートができれば、というくらいの気持ちでマウンドに上がっています。
──次回登板となった4月9日の
ヤクルト戦(同)では2勝目を挙げましたが、1対0の6回一死一塁で、
山田哲人選手を内角シュートでショートへの併殺打に打ち取りました。
會澤翼選手のサインに首を振ってからの投球でしたが。
九里 會澤さんはアウトコースのボールを要求していたんですけど、カウントが2ボール2ストライクで、一つ厳しくいっても、その次のボールで勝負にいけるというのがありました。それまでが外、外、外だったので、内角にしっかり投げようと首を振りました。
──それ以外にも、今季は内角攻めが目立っています。
九里 春季キャンプから左打者、右打者に関係なくインコースに投げる練習はしてきました。アウトコースを打たれるよりもインコースを打たれたほうが、納得するという言い方はおかしいですけど、自分でも後悔しないので。
──左右を広く使うピッチングスタイルは、昨季に引退した
黒田博樹投手を思い起こさせます。
九里 黒田さんの投球が理想とするピッチングスタイルなので、そこを目指してやっています。黒田さんにはシーズンの終わりごろに「お前のピッチングは・・・
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