これまで直球、スライダー、チェンジアップの3種類だった球種に、新たな武器が加わった、左打者に対して、外角低めへ逃げる球。これにより投球の幅が広がった。 取材・構成=富田庸、写真=高塩隆、BBM) シンカーを覚えたのは今から2年ほど前ですかね。それまで、変化球はスライダーとチェンジアップだけだったんですけど、もう一つ欲しくて。チームには同じサイドスローでシンカーの名手だった高津さん(
高津臣吾、当時一軍投手コーチ、現二軍監督)がいらっしゃいましたから、いろいろとアドバイスをいただきながら精度を高めていきました。練習でいい感じに落ちるようになり、実際に試合で使い始めたのは去年からです。
僕はもともとフォークを投げられないので、低めに落とす球として効果を実感しています。特に左打者に対しては、外角に逃げていくような軌道になります。理想としては低めに落として空振りを取ること。そして左打者なら引っ掛けてゴロを打たせることですね。これはフライアウトではなく、ゴロアウトを奪うための球種となります。
握りとしては、中指を立て、人さし指、薬指を縫い目に掛け、この2本の指でフォークのような握りを作ります。リリースの瞬間は手首を寝かせるのではなく、しっかりと立てて、上からつぶすイメージで落とすようにする。サイドスローであっても、上からというイメージがとても大切になります。
握り自体は、深く握り過ぎては抜けていかないし、反対に浅過ぎては簡単に抜けてしまう。言葉で説明するのがなかなか難しいんですけど、その中間くらいのイメージです。親指の付け根あたりに、少しだけ空間を持たせる感じですかね。
僕のシンカーの握りは、チェンジアップとほとんど変わりがありません。僕の中でも、シンカーはチェンジアップとうまくミックスしたものという感覚なんです。手首の角度を変えるだけで、下に落とすのか、左打者の外角へ落とすのかが変わってくる。打者によってうまく使い分けるようにしています。
シンカーの精度としては一昨年の後半あたりから手応えを得ていましたし、試合でも十分に・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン