精巧なバットコントロールが戻りつつある。極度の打撃不振に悩まされた昨季の姿はもうない。キャリア12年目、20代最後のシーズンを最高の形で終わらせるべく、選手会長は常に打撃の技術と向き合っている。 取材・構成=富田庸、写真=内田孝治、川口洋邦(インタビュー)、BBM ※成績・記録は6月25日時点 万能性を発揮してチーム躍進に貢献
「らしくない」本塁打で、2017年シーズンが幕を開けた。そこから4試合連続安打。そして4月8日の
ロッテ戦[ZOZOマリン]では、3安打2打点の大暴れ。4月、5月を打率3割超えで乗り切った。交流戦中に打率2割台に落ちたが、再び3割に届こうとしている。昨季の今ごろは打撃不振で二軍にいた。故障以外での降格は、レギュラーになって初めてのことだった。その苦い経験があるからか、
銀次は現在の状態にまったく満足感は抱いていないようだ。ならば、本来の調子を取り戻したら、どんな打撃を見せるのだろうか。
「バッティングの状態はそれほど良いとは思っていません。良いときもあれば、悪いときもある。やはり、どうしても調子の波が出てしまうんですよね。遠征が続けば、当然疲れもたまってくるし。その中で、できるだけ波ができないように、調子を崩さないように我慢しながらやっているのが現状ですね。
僕が一番意識しているのは積極性です。いつも攻めの打撃を意識しています。今季は五番で起用されることが多くなっていますが、僕としては何番であろうと、まずはしっかりと自分のスイングをすること。それだけを意識しています。
それが形になったのは、開幕戦の第3打席でした。相手は
オリックスのエース・
金子千尋投手でしたが、カウント2ボールからストライクを取りに来た甘い球を、しっかりとらえることができました。やはりファーストストライクからしっかり狙っていくこと。これができたのは良かったけれど、僕はホームランを打つタイプではないので。本当にたまたまです。今季初安打がホームランなんて、思ってもみませんでした(笑)」
楽天初のリーグ優勝、日本一を果たした2013年からすでに4年が経過した。銀次は当時25歳で、前年に初めて規定打席に到達したばかりのニューカマー。それでもこの年は7月に一時首位打者に立つなど打撃が完全開花。レギュラーとしてチームの躍進を支えた。そんな銀次が・・・
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