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怪物に挑んだ男インタビュー

松本啓二朗が挑んだ“怪物・ダルビッシュ有”

 

真っすぐ、変化球どれをとっても高校生No.1。端正な顔立ちとルックスもあいまって、ダルビッシュ有はこの夏の怪物であり、アイドルであった。その凄み、雰囲気を肌で感じ、打ち破ったDeNA松本啓二朗は13年前の衝撃を思い出とともに語った。
取材・構成=滝川和臣、写真=BBM


消えたシンカー


前年の夏、準優勝に終わったみちのくの怪物投手が聖地に戻ってきた。悲願の全国制覇を狙うダルビッシュ有(東北高)は2試合連続完封で発進し、Vロードを突き進む。しかし、3回戦で初出場ながら勝ち上がってきた千葉経大付高(千葉)が立ちはだかる。父(吉啓氏)が監督を務める親子鷹としても注目を集めた松本啓二朗(現DeNA)は、エースとして投手戦を繰り広げ、四番打者としても“怪物”と対峙した。

 ダルビッシュは、前年の夏に準優勝。対する千葉経大付は甲子園初出場で、意識するどころか雲の上の存在という感じでした。僕らは「全国制覇」をチームのスローガンに掲げていたものの、現実的にどうだったかといえば、甲子園に出場できたことへの満足感がチーム全体にありました。なんせ初めての聖地で右も左も分からない状況でしたから。

 東北とは2試合勝って3回戦に対戦します。1回戦の鳴門第一に勝って「良かった」という安堵感がチームに漂い、2回戦は僕が投げて富山商に完封勝利。なんというか「やることはやったな」という安堵感が自分に中にもあったんです。だから、ダルビッシュの東北が相手でもプレッシャーを感じることなく、気負いもなく試合には臨めました。思いっ切りぶつかってやろう、と・・・

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