FAでの加入には“結果”という大きなプレッシャーが伴う。楽天快進撃を支える一人である岸孝之はその重圧を背負い、先発3本柱の一角として期待に応えようと静かに燃えている。背番号11の勝利が、4年ぶりの優勝へのカウントダウンとなることは間違いない。 取材・構成=阿部ちはる、写真=大泉謙也、内田孝治(インタビュー)、BBM ※成績・記録は8月20日時点 結果を求められる重圧と最近の納得いかない投球
この男の加入で、投手陣の安定感は急激に増した。これまですべてを背負ってきたとも言える則本昂大の負担を減らし、先発ローテーションを守っているだけではなく、練習する姿や会話をしながら後輩たちは刺激を受け、成長を遂げている。そうして投球以外でもチームに貢献している岸孝之だが、結果を残さなければいけないというプレッシャーの中、現在は少し複雑な思いを抱いている。 ──昨オフにFA権を行使し、
西武から楽天に移籍。新たなチームでシーズン開幕を迎え、ここまで戦っています。
岸 いろいろな方のサポートがあって、今のところはチームに溶け込めているかなとは思います。特に先発陣、ピッチャー陣とは話をしますね。野手では稼頭央(
松井稼頭央)さんがご飯とかによく誘ってくださるので、一緒に行きますよ。
──地元・宮城に帰ってきての登板はいかがでしょうか。
岸 先発としての仕事をするということで言えば、やることは変わらないのですが、地元がホームになったというのはまたちょっと違いますよね。FAするときには地元の人たちに楽しんでもらえたらな、喜んでもらえたらいいなと思っていましたので、友達や周りの方に「来てくれてありがとう」と言われるのはうれしいですね。でも、やっぱり結果を残さないといけない立場だと思うので、最近の投球ではちょっと微妙ですね。僕の気持ちとしては……。
──7月19日の
日本ハム戦[札幌ドーム]での勝利以降、勝ち星には恵まれていませんが、今シーズンはずっとクオリティースタートを続けています。そういう意味では先発としての仕事はしっかりと果たせているという印象を受けます。
岸 シーズン序盤は自分に勝ちがつかなくても試合を作れて、チームが勝っていたので良かったのですが、終盤になってくると・・・
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