大阪桐蔭高・西谷監督は今春のセンバツで史上3校目の春連覇へ導いた。PL学園高・中村順司監督と並ぶ歴代最多タイ6度目の優勝となった
春、夏の甲子園大会にはNPB12球団のスカウトがネット裏に集結する。全員の“目”で「対象選手」の動きをチェックすることが目的だ。担当スカウトが常日ごろから視察しており、“この1試合”ですべての評価が決まるわけではない。だが、大舞台でのパフォーマンス力は判断材料の一つになることは当然、ある。
開幕前、全国各地に配置されたスカウトが、担当地区の選手をピックアップ。球団内の編成担当はこの提出リストをまとめ、各スカウトへ配布する。この資料を基にして、甲子園のスタンドでは視察が繰り広げられる。伊万里高(佐賀)との初戦を前に、大阪桐蔭高の“様子”を見に行くと、驚きの展開が待っていた。
ある球団幹部に聞くと、「たくさんいますよ!」と、実に7人が「ドラフト対象」だと明かしてくれたのだ。今春はセンバツが第90回、夏の選手権が第100回の記念大会。各強豪校ともこの“節目”に結果を残そうと、強化を進めてきた背景がある。特に大阪桐蔭高には有力選手がそろい、入学した2016年4月当時から話題の中心となっていた。いつしか周囲は「銀河系軍団」と呼ぶようになり、昨年のセンバツも
根尾昂(中堅手、遊撃手兼投手)、
山田健太(三塁手)、
藤原恭大(中堅手)、
中川卓也(一塁手)が中心選手として優勝に貢献。昨夏に続き、3季連続甲子園となった今春は、絶対的なV候補の重圧を跳ね除け、史上3校目のセンバツ連覇。右腕・
柿木蓮、左腕・
横川凱に加え、好リードと強肩強打が武器の
小泉航平もドラフト候補に加わった。2年連続で胴上げ投手の根尾、昨年は2年生ながら侍ジャパンU-18代表に名を連ねた藤原は「上位候補」と言われている。
過去の同一年度大量指名チームを振り返ると、5人が最多。いずれも大学、社会人であり、高校では4校(中京商高、平安高、崇徳高、日大三高)の4人指名が最多である。今年の大阪桐蔭高は何人がプロ志望届を提出するか、現段階では未定だが、展開次第では大きな可能性が広がる。今夏は史上初となる2度目の春夏連覇(連覇は過去7校)を狙うが、甲子園だけではなく、ドラフトにおいても主役に躍り出るかもしれない。(文=岡本朋祐)
同一年度大量指名チーム一覧
指名時点で既卒、中退、退職の選手は含まない。年度の「二次」は二次ドラフト、自=自由獲得枠、希=希望入団 1977年 法大(東京六) 5人
・
江川卓/クラウン1位
・金光興二/近鉄1位
・
袴田英利/
ロッテ1位
・
植松精一/
阪神2位
・島本啓次郎/
巨人6位・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン