週刊ベースボールONLINE

プロ野球魔球伝説

【フォーク編】“フォークの神様”が元祖。メジャー・リーグでも席巻/球史に燦然と輝く忘れがたき変化球

 

ストレートの軌道から打者の手元でストンと落ちる。人さし指と中指でボールを挟んで投げるのがフォークだ。深い握りで大きい落差をつけて空振りを狙うのがフォーク。逆に浅く握り、小さい落差でバットの下に当てゴロを打たせるのがスプリット・フィンガード・ファストボール(SFF)と呼ばれている。

フォークを武器に“ドクターK”と呼ばれた野茂


三振の山を築く球種


 日本では“フォークの神様”杉下茂(元中日ほか)が元祖だ。明大時代にフォークを習得。1954年、西鉄との日本シリーズで野武士軍団の猛打を封じ込め、一世を風靡(ふうび)した。主砲・大下弘は「伸びてくるフォークなんて、打てるわけねえ」と吐き捨てたが、無回転で、ナックルと同じように揺れたり、伸びたりする。まさに、魔球だった。しかし、杉下はフォークを多投したわけではなかった。大学時代、首脳陣から「投手に一番必要なのは、針の穴を通すコントロールだ」と叩き込まれたからだ。フォークはある程度、制球できるが、「針の穴を通す」まではいかない。だから、基本はストレートとカーブ。フォークは絶対に勝ちたい巨人戦、特に川上哲治相手以外にはほとんど投げなかったという。

 このフォークの継承者は・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング