「まるでサッカーの無回転シュート。真っすぐとのコンビネーションは抜群」
潮崎のシンカーはまさに“魔球”でしたね。まず、真っすぐが速かった。当時のスピードガンで147、8キロですから、今なら150キロを超えるボールでしょう。それをサイドスローから投げ込んでくる。その上であのシンカーがある。
テークバックで一瞬、握りが見えたりもしましたけど、腕の振りが真っすぐと同じように速くて、そこからまるでサッカーの無回転シュートのように鋭く落ちるわけですから、狙って打ちにはいけませんでした。とにかく、いかに真っすぐを打つか。シンカーにヤマを張ると今度は真っすぐにまったく太刀打ちできなくなってしまいますから。
僕自身も潮崎のことは全然打てませんでしたね。もともとサイドスローは苦手にしていましたし、チームとしてもリリーフである潮崎への対策というのはあまりした記憶がない。まず先発投手からいかに点を取るかを考えなければいけませんでしたから。それくらい、黄金時代の西武の投手陣はすごかったですね。
ただ、やはり右打者にはあまりシンカーを投げていた記憶はありません。シンカーは左の強打者に対してだけ。右打者には真っすぐとカーブだけで十分に抑えられるという感じでした。実際、僕もシンカーを投げられたのは数球くらいしかないと思います。それも打ちにはいけなかったですけど(笑)。
社会人時代から潮崎は野茂(
野茂英雄、元近鉄ほか)と仲がよかったので、プロ入りしてからもかわいい後輩のような感じでしたけど、体が大きくないのに速いボールを、しかもサイドから投げ込んでくる。あの真っすぐとシンカーのコンビネーションが・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン