最後の夏は奈良大会決勝で涙をのんだが、自身の打棒は成長の一途をたどっている。元プロ野球選手を父に持つ好打者は“真の勝負”に挑むべく歩みを止めない。 取材・文=喜瀬雅則 写真=佐藤真一 高い意識を持って
夢の先に、真の勝負が待ち受けている。そばで支えてくれた父の姿を見てきた
太田椋は、その厳しさを十分に理解している。
「父も高校を卒業してのプロ入り。同じ道ですから、父を超えたいという気持ちはずっとありました」
だからこそ、夏の奈良大会決勝で敗れ、甲子園出場を逃してからも日々、変わることなく練習を続ける。持つバットは金属から木製へ。「プロでの戦い」をすでに見据える。
父・暁さん(
太田暁)は元近鉄の内野手で、愛媛・帝京五高から1989年ドラフト6位でプロ入り。しかし、8年間で一軍出場は3試合のみにとどまり、1安打も打てぬまま現役引退。その後は近鉄で二軍の用具係などを務め、現在は高校時代に投手だった経験を生かし、
オリックスの打撃投手を務めている。プロの世界の酸いも甘いも知る“先輩”でもあるのだ。
「厳しい世界なのはもちろんのこと。でも、本人は小さいときから・・・
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