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激動の平成ドラフト史 時代の証言者

オリックス・後藤駿太「僕は“外れ、外れ、外れ”。1位と思ったことはない」/時代の証言者

 

競合による抽選で運命が変わるのは、何も引き当てられた選手だけではない。2010年秋――。度重なるクジの末に、1巡目で名が呼ばれた男。3度の“外れ”が付く1位指名を受けた後藤駿太が、当時と現在の思いを重ね合わせる。
取材・構成=鶴田成秀 写真=BBM

2010年夏、甲子園出場を決めた際に入れたダルマの片目。ドラフトで指名を受けると、さらに目を大きく塗り、プロでの飛躍を誓った


電話で高まる緊張感


 2010年夏。群馬・前橋商高の中堅手が甲子園で俊足巧打を披露し、プロの目に留まる。本人の思いは「欲を言えば4位以上」だったが、ドラフトで名が呼ばれたのは1巡目。ただ“4度目”の1位入札で、名前が呼ばれるまでの間に幾度も抽選を見届けた。クジを巡るドラマ――。その抽選の合間に鳴った電話が、18歳の緊張感を高まらせていた。

 鮮明に覚えているのは指名直前のこと。リアルタイムで行われているドラフト会議に自分が身を置いている。そう思う出来事が急に起こり始め、不思議な感覚になったんです。

 ドラフトの日は学校が休みでした。休校の理由は覚えていないのですが、学校行事の振り替え休日だったと思います。だから、普段とは違う朝で。それに、テレビの“密着取材”を受けていて、朝から会議までの様子を追いかけていただいていた。だから当日は“ドラフト”というよりも、“テレビ取材”に緊張したことをよく覚えているんですけどね。

 午前中は撮影されながら・・・

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