あえて「事件史」とタイトルに打ったが、実際、誰もが笑顔の移籍は皆無に等しい。選手、球団、あるいはファンにとって、常に大きな衝撃が伴う。ここでは年代別に日本球界の移籍の歴史を振り返っていく。平成は厳密にいえば1989年1月8日からになるが、今回は、89年から新球団でプレーした88年(昭和63年)オフのトレードは、“平成”で括(くく)らせていただく。 ※キャプションの年は西暦の移籍1年目 異彩放つ野村再生工場
平成6年(1994年)オフ、日本球界を大きく変える出来事があった。近鉄・野茂英雄が契約更改で大きくもめ、自由契約ではなく任意引退になったのを機にメジャー挑戦を表明。日米間の移籍ルールが皆無に等しかった時代にマイナー契約からチャンスをつかみ、昭和39年(64年)、
村上雅則以来の日本人メジャー・リーガーとなった。以後、この年代では、投手で
長谷川滋利、
佐々木主浩、
大家友和、
石井一久ら、野手では
イチロー、
新庄剛志、
田口壮らが海を渡り、メジャーの舞台で活躍しているが、すべての始まりは野茂だった。
同オフ、2年目となったFA権を行使したのは6人。中でも衝撃は・・・
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