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HITMAKER SPECIAL CROSS TALK

ヤクルト・青木宣親×西武・秋山翔吾 スペシャルクロストーク 200を超えた男たちの絶対的「野球論」

 

長いプロ野球の歴史でシーズン200安打を超えたのは、わずかに6人。その難易度の高い記録をマークしているヤクルト青木宣親西武秋山翔吾の、球界最高峰の安打製造機による対談がここに実現。お互いの野球観を語り合った。
取材・構成=小林光男 写真=榎本郁也(インタビュー)、BBM


衝撃を受けた“言葉の力”


 昨年195安打を放って最多安打のタイトルを獲得し、西武10年ぶりのリーグ優勝に貢献した秋山翔吾が、目標にしている存在として名前を挙げるのが青木宣親だ。6年にわたりメジャー・リーグで戦い抜き昨年、古巣・ヤクルトに復帰した青木。日本球界でも変わらぬ打棒を発揮して打率.327をマーク、2017年は96敗を喫して最下位だったチームを類(たぐい)まれなリーダーシップによって生まれ変わらせ、2位に躍進させた。

 今年が3年契約の3年目となる秋山はオフの契約更改で、さらなる複数年契約を提示されたが、それを固辞。「まずは3年間、やり抜いてから」と語った。今年中に海外FA権も取得見込みで、後日、視線の先にメジャー・リーグもあることを明かした。

 今回の対談で秋山は青木から何らかの刺激を受けるのか。60分にわたるロング対談がスタートした。

──青木選手の“視界”にはいつごろから秋山選手が入ってきましたか。

青木 アキの1年目(2011年)から「いい選手だな」と思っていましたよ。体は細かったけど力があったし、守備もスピードがあったから。

秋山 僕の2年目から青木さんはメジャー・リーグに行かれて、そのプレーをテレビでよく見ることができるようになりました。ただ、僕が200安打を打つまで時間がかかったので、青木さんはずっと遠い存在でしたね。

──秋山選手は15年にシーズン最多の216安打をマーク。当時、青木選手はMLBのジャイアンツに所属していましたが。

青木 アメリカでもチェックはしていましたよ。最後、一気に5安打くらいしたけど、狙っていたでしょう?

秋山 最後は無欲でしたね。残り2試合で最低6安打しないと、マートン(阪神)が作った214安打を超えることができませんでした。周囲からは「猛打賞2回でしょ」なんて言われていましたけど、200安打に達してからだいぶペースも落ちていたので。「厳しいな」と思って、開き直って打席に入っていました。それで、あれだけ打てたので不思議な感じでしたね(9月30日のオリックス戦で5安打を放ちマートンに並び、最終戦となる翌日の同カードで2安打し、216安打)。

青木 でも、200安打を超えてから一時期、意識はしたわけでしょ。そこで超えられるか、超えられないかの差はすごく大きいと思う。1度はトライしてみようと考えた中で超えたわけだから、それはすごいことだよ。


──青木選手は200安打を2度記録した唯一の選手ですが現在、“200”への意識は?

青木 もう1回くらいは……。ただ、今は立場が以前とは違うので。200安打だけを意識するというわけにはいかない。ですけど、あわよくばまた狙ってみたい気持ちはあります。

秋山 僕も再び200安打を打って、青木さんに追いつきたいんですけど、その意識が強まったのは・・・

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