伝説が始まったのは、25年前だ。1994年、カタカナの登録名で登場した19歳の若者は、誰にも似ていない独特のフォームでヒットを量産し、日本球界初の200安打超えを果たした。2001年、メジャーに戦いの舞台を移し、04年にメジャー最多262安打を達成。日米通算安打は、すでに世界最多の4367安打となっている。所属のマリナーズは、今年の3月20、21日、東京ドームでアスレチックスと開幕戦を行う。果たして、これは伝説のフィナーレなのか、それとも新たなる伝説の始まりなのか。 文=椎屋博幸(本誌特派) 写真=Getty Images 生きる教科書
現在はマイナー契約の招待選手として、マリナーズのスプリング・トレーニングに参加。日本開幕戦に向け、その存在感は日々増している。 「ふん!」
初球だった。フルスイングした打球が鮮やかにセンター前へ抜けていく。3月1日に行われたブリュワーズ戦(ピオリア)に「七番・右翼」で先発。2回の第1打席、前打者が本塁打を打った後の初球、97マイル(約156キロ)の真っすぐを鮮やかに弾き返した。
「振りにいかないと振れないから。知らないピッチャーだしね。とりあえずそういう姿勢でいかないと、最後の(第3打席=2ストライク後に空振り三振)みたいに追い込まれるから」
試合後、8打席ぶりだったオープン戦2本目の安打を振り返った。
セオリーどおりではあるが・・・
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