野手編では堂林翔太を紹介したが(記事はこちら→堂林翔太インタビュー 決意のホットコーナー)、投手編の「今季に懸ける男」として登場するのは、野村祐輔だ。16勝を挙げ、最多勝利と勝率第一位に輝いたのは3年前のシーズンのこと。その後2年間は、勝利数が1ケタにとどまった。大瀬良大地、クリス・ジョンソンと並ぶ、もう一本の柱への復活を、ファンは待っている。 取材・構成=藤本泰祐 写真=栗山尚久(インタビュー)、榎本郁也、前島進 キャンプではフォームの再現性の向上を求めて投げ込んだ
どんどん鍛えていけばという意識だけではダメ
――キャンプは順調でしたか。
野村 まあ順調でした。
――今年は、最初のブルペン入りから、かなり強めに投げられていた印象がありますが。
野村 ああ、そうですね。力を入れて投げました。まあ、例年そんな感じですけど。割合早めに仕上げて。特に変わりはないですね。
――ご自身の中で、「今年はここをテーマにしていこう」というところはどこですか。
野村 テーマはフォーム固め。それをしっかりやることと、やっぱりリリースを安定させることです。昨年が安定してなかったわけではないですが、さらに率を上げていきたい。
――契約更改のときに、「体の状態も毎年変わってくるので、それに合ったトレーニングをしていきたい」というような発言もされていました。
野村 年々、体が変わってきつつあるというのもあって、プロ入り1年目みたいな感じにはいかないので。それに合った動きをしていかないといけないのかな、と。
――プロ1年目、2年目との一番の違いはどのあたりに感じますか。
野村 回復力が違いますね。やっぱり(今は)ケアというところが増えます。そういう面で時間をかけていかないといけない。
――トレーニングも変わる。
野村 そうですね、毎年、課題が出てくるので、そこを強くするために、トレーニングも変えています。
――今年はどうですか。
野村 メニューは変わっていないですけど、同じことをやるにしても、やるときの意識が変わっています。特に瞬発系の動きが落ちてくるので、意識をすることによって、上げていけたらなと思っています。単純に回数を増やすということではないですね。「どこの筋肉をどう動かして」、みたいな意識づけです。
――昨年の春先に戦列を離れたことは、意識の変化に影響しましたか。
野村 今までは、どんどん鍛えていけば、という意識だったけれども、鍛えるだけじゃダメだと。しっかりメンテナンスをして故障をしにくい状態をつくっていかないと。
――ここ2年は、9勝、7勝と、数の上では物足りない部分もあるかと思うのですが、そのあたりはご自身ではどのようにとらえていますか。
野村 2年前は勝ち星は9止まりですけど、防御率はその前の年とほぼ変わらないですから。ただ、昨年はあまりうまくいかないことが多かったですね。
――ご自身の中では、うまくいかせるためには何が必要だと。
野村 どこですかね。まだ思ったようにいかないところが・・・
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