週刊ベースボールONLINE

2019ドラフト「令和元年」の逸材発掘

石川昂弥(東邦高/内野手)『上位候補』から『1位候補』へ急上昇 「春夏連覇を目標に掲げて、すでにスタートしている」

 

国際大会対策研修合宿では木製バットを使用。金属バットと変わらない鋭いスイングを見せている/写真=石井愛子


最後の最後に話題を奪い取る活躍


 平成最後のセンバツで、平成元年以来の優勝を遂げた東邦高。投打にわたってけん引したのが、主砲でエースの主将・石川昂弥だった。習志野高との決勝で記録した1試合2本塁打と、1大会3本塁打は松井秀喜(元巨人ヤンキースほか)、清原和博(元西武ほか)らに並ぶ最多タイ記録。それまで星稜高・奥川が「大会No.1」として独占していた感のあった甲子園の話題を、最後の最後に奪い取るような活躍だった。

 まさに「本領発揮」という表現がピタリと当てはまるだろう。大会屈指のスラッガーとして臨んだセンバツだったが、戦前の注目度は「高校生BIG4」の一角である奥川や横浜高・及川雅貴には及ばなかった。実際、自慢のバットは広陵高との2回戦で甲子園初本塁打を放ったものの、筑陽学園高との準々決勝、明石商高との準決勝は無安打。準決勝まで打率.188ともがいていた。どちらかと言えば、全試合に先発し、2点以下に抑えていた「投手・石川」のほうが目立っていたほどだった。

「打撃の調子は決して良くなかった。ずっと、いろいろ変えながら、模索していた」。その石川のバットが、ついに火を噴いたのが、試行錯誤で迎えた決勝。1回にバックスクリーン右に飛び込む先制2点本塁打を放つと、5回にも右中間に追加点の2ラン。平成最後の甲子園本塁打となった高校通算44、45号は、石川らしい中堅から逆方向への特大弾だった。悩めるスラッガーが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング