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噂のHOPEに直撃SPECIAL版 鯉の復活若手左腕

広島・床田寛樹インタビュー 投げられるだけで幸せ 「試合でダメだったからとか、そこまで思わなくなった。投げられるだけでうれしいんで」

 

開幕当初、なかなか調子の出なかったチームを救ったのは、トミー・ジョン手術を経て復活した男だった。プロ3年目の左腕・床田寛樹。開幕第2戦で復活のマウンドを踏むと、2度目の登板からは4連勝をマーク。先発陣の中でも勝ち頭として、序盤戦のチームを支えた。
取材・構成=藤本泰祐、写真=太田裕司(インタビュー写真)、BBM

力投する床田。5月12日現在、4勝はリリーフ役のフランスアと並び、チームの勝ち頭。序盤戦のチームを支えた/写真=早浪章弘


鳥肌が立った一軍復帰初マウンド


 一昨年7月にトミー・ジョン手術を受け、地道なリハビリに耐えて、一軍に復帰した。そこからは2試合目の登板で724日ぶりの勝利、3試合目にはプロ初完投勝利と、順調なステップを踏み完全復活。その投球内容はむしろ故障前を上回り、先発ローテーションに欠かせぬ存在となった。

――今シーズンは一軍に復帰してすでに4勝していますが、ご自身としてはいかがですか。

床田 試合を壊さずに、しっかりゲームを作れているので、それが勝ちにつながっているのかなと思います。

――リハビリをやっていたころを考えると夢のようですか。

床田 そうですね。復帰してからは、ローテーションに入ることを目標にやってきましたが、ケガしている間は、一軍で投げられるというのは、正直想像ができなかったです。

―― 一軍とか二軍とかではなくて、とにかくまずマウンドに戻れればと。

床田 そうですね。

――シーズンに入るときには、自分ではどれぐらいやれそうだという感触があってのスタートだったのでしょうか。

床田 いやもう、正直自信は全然なかったんですけど(笑)。去年、二軍戦で復帰して、左バッターのインコースと、ツーシームをしっかり投げ切る、というのをテーマにやってきて、二軍戦ではけっこう手応えがあったんですけど、一軍では投げていないので、それが通用するかどうかは分からなかったですから。ただ、一軍でそれを試してみたいという気持ちはありました。

――それが、キャンプに入ってからは、まったく順調に来ましたね。

床田 そうですね。自分でもびっくりするぐらい(笑)。

――むしろ、故障する前よりいい。

床田 ハイ。結果的には全然よかったと思います。

――今季は復帰初登板、初勝利、さらに初完投勝利と、投げるたびに段階を踏んできていますが、ご自身ではどの登板が最も印象深いですか。

床田 初登板です。2年ぶりで、ケガして以来のマツダスタジアムのマウンドでしたし、上がるときに声援を聞いて、鳥肌が立っちゃって。ただ不安はあったんです・・・

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