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なるか4連覇!広島勝負の夏

まるでジキルとハイド。今季の広島、これから見せる顔はどっち?

 

まるでジキルとハイドだ。今季のカープのことである。4月途中まで最下位に沈んだかと思えば急激に立て直し、5月は月間20勝を挙げて一気に首位へ。そのまま突っ走るかと思えば、交流戦ではまた大きく崩れてしまった。4連覇を狙う今季、果たしてこれからどちらの面を見せてくれるのか――。

思いどおりにいかない展開に、ベンチで浮かぬ顔の緒方監督。小園らの投入で何とか活路を開こうとしているが……


 カープファンは今年、まるでジェットコースターに乗っている気分だろう。

 4月16日まではとにかく打てず、借金8でまさかの最下位。「こりゃまずいぞ」と思ったらあっという間に立て直し、5月は11連勝を含め、球団最多記録の月間20勝(4敗1分)で一気に首位へ。

「これでもう大丈夫じゃろ。交流戦でも何でもいらっしゃい」と思っていたら、あにはからんや、交流戦は各カードで負け越し、負け越し、また負け越しでずるずると貯金を減らしてしまった。

 打線がまさに梅雨入りで湿ってくれば、投手陣も先発陣や昨年までの抑えの中崎翔太が次々と炎上。打線も投手陣も再編成を迫られる事態になった。

 緒方孝市監督は、投手では山口翔遠藤淳志、そして野手では期待のドライチルーキー小園海斗ら若い力を一軍に登用してチームのムードを変え、活性化を試みる。ただそこはまだ経験の浅い若手選手のこと。成功もあれば失敗もあり……と、なかなか一朝一夕にうまく回るものでもない。ただ、新しい力が出てこなければ、4連覇が成就しないことは確か。

 幸い、セ・リーグは交流戦で大きく抜け出すチームはなく、チームは首位争いの最中。ここで経験を積んだ若鯉たちが、本当の力をつけ、チームを軌道に乗せる力になれば、そして、それに負けじと3連覇メンバーたちが意地を見せれば、そのときこそ、4連覇への道が眼前に広がってくることになるはずだ。

5月にはバティスタが三番に座って大活躍するなど、無類の強さを誇ったカープ。ひとたび歯車がかみ合えば、また快進撃ができるはず

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